こんにちは。インフラジスティックス・ジャパン テクニカルコンサルティングチームの石橋です。
このブログシリーズでは、「Blazor で棒グラフを作成しよう」というタイトルで
- Blazor の新規アプリケーション作成 (Hello, world!)
- Ignite UI for Blazor を使った棒グラフの表示
- 棒グラフが最適なデータとは (※今回はここ)
- 棒グラフでやらないほうがよいこと (※今回はここ)
の 4 つを順に説明していきます。
今回は、3 つめと 4 つめ、棒グラフが最適なデータと棒グラフでやらないほうがよいこと、です。インフラジスティックス製品から少し離れて一般的な話をしていきたいと思います。
棒グラフが最適なデータとは
一般的に、同じ尺度の複数の項目の数量を比較する場合、棒グラフが最適だといわれています。
例えば、今回のシリーズの「Ignite UI for Blazor を使った棒グラフの表示」で使用した売り上げ成績は、各担当者の売り上げ金額を棒グラフにすることでだれが一番成績がよかったか、平均的ぐらいか、あるいは悪かったか、が一目瞭然です。
また、小中学校の社会や地理、理科などで習った雨温図は、降水量が棒グラフで表現されていて、降水量の多い月や少ない月が一目でわかります。
株価チャートも、出来高が棒グラフで表現されますが、これも成立した取引量を表現・比較するのに棒グラフが最適だからです。
このように複数項目で数量を比較するときに棒グラフは最適な表現方法となります。
棒グラフでやらないほうがよいこと
棒グラフの最適な使い方は数量の比較ですので、それに誤解を与えるようなことはやらないほうがよいといわれています。例えば、以下のようなことは注意が必要な例、もしくは、悪い例といわれています。
- y 軸の開始値を 0 以外にする。
10、9、11、という3つのデータがあったとして、この 3 つの差はわずか 10 ± 1 の範囲内です。y 値を 0 から開始とすることでこのわずかな差をそのまま表現できます。しかし、これをもし、例えば 8 などから開始した場合、その差は実際より大きく見えてしまいます。
差をはっきりと表現する必要がある場合は構わないのですが、意図せずやってしまわないように注意が必要なタイプのものです。別の視点で言い換えると、y 軸の開始値は何かをまず見よ、とも言えます。
- 過度な装飾をする。
「数量の比較」ですので、最終的には「高さ」の差が一番見やすい方法が一番です。「高さ」の比較に立体感は要りません。
- 2 次元 (もしくは 3 次元) の図形で表現する。
「過度な装飾をする」に関連していますが、図形で表現すると実際よりも差が強調されます。例えば、下のグラフは、「y 軸の開始値を 0 以外にする。」の注意が必要な例として使ったグラフを灯台の図形で置き換えたものです。それぞれの灯台の高さは元のグラフと揃えていますが、高さだけでなく面積としても差が出てしまっていて、その結果、さらに実際以上に差が強調されてしまっているのがわかると思います。
中にはそんなことしないだろうと思ったものもあったかもしれませんが、意外とテレビや新聞、雑誌などで見かけることがあります。グラフが出てきた場合はこれらの点をちょっと注意してみてみるとよいと思います。
最後に
以上、一般的な話として、棒グラフが最適なデータについてと、棒グラフでやらないほうがいいことについて紹介しました。
この記事に関して何かご質問・ご不明な点がありましたら、お気兼ねなくインフラジスティックスまでお問い合わせください。