皆さん、こんにちは!
ソリューションコンサルタントの狩谷です。
この記事では、Blazor で Web Storage を利用する方法について解説したいと思います。
本記事は Qiita のドキュメントのミラーです。
この記事では、Blazor で Web Storage を利用する方法について解説したいと思います。 ユーザーがリロードすると画面上の情報が失われてしまいます。その際に、データを一時的に保存しておき、状態を維持する方法を見ていきたいと思います。
- Web Storage とは?
- Blazor Server で Web Storage を利用する方法
- Blazor WebAssembly で Web Stroage を利用する方法
- まとめ
- 参考サイト
- 技術サポート・無料オンライン相談会をご利用ください
Web Storage とは?
HTML5 で導入されたブラウザーに Key-Value 形式でテキストデータを保存できる仕組みです。ブラウザーにデータを保管する仕組みとしては Cookie がありますが、Cookie よりも保存容量が大きく、常に Http Header で送信されるわけではなく、必要なときにだけ取り出せます。 sessionStroage と localStorage の2種類があり、目的に応じて使い分けができます。
- sessionStorage
ブラウザーのタブ単位でデータを保存できます。タブを再読込してもデータは維持されますが、タブかブラウザーを閉じると、データは失われます。
- localStorage
ブラウザー単位でデータを保存でき、タブやブラウザー本体を閉じてもデータが維持されます。再度ブラウザーを起動するとデータを再読み込みできます。
Blazor Server で Web Storage を利用する方法
まずは、Blazor Server で Web Storage を利用する方法をご紹介したいと思います。 Blazor Server では Microsoft が提供している、「ASP.NET Core で保護されたブラウザー ストレージ」を利用することで、簡単にデータを暗号化して保存できます。
sessionStorage の場合
@page "/countersession" @using Microsoft.AspNetCore.Components.Server.ProtectedBrowserStorage @inject ProtectedSessionStorage ProtectedSessionStore <PageTitle>Counter</PageTitle> <h1>Counter</h1> @if (isConnected) { <p>Current count: <strong>@currentCount</strong></p> <button @onclick="IncrementCount">Increment</button> } else { <p>Loading...</p> } @code { private int currentCount; private bool isConnected; /// <summary> /// コンポーネントのレンダリングが完了した後に呼び出されます /// </summary> /// <param name="firstRender"></param> /// <returns></returns> protected override async Task OnAfterRenderAsync(bool firstRender) { if (firstRender) { isConnected = true; await LoadStateAsync(); StateHasChanged(); } } private async Task LoadStateAsync() { var result = await ProtectedSessionStore.GetAsync<int>("count"); currentCount = result.Success ? result.Value : 0; } private async Task IncrementCount() { currentCount++; await ProtectedSessionStore.SetAsync("count", currentCount); } }
Microsoft.AspNetCore.Components.Server.ProtectedBrowserStorage を読み込むことにより、ProtectedSessionStorage を利用できます。 sessionStorage、localStorage は、プリレンダリング中に利用できないため、OnInitializedAsync ではなく、OnAfterRenderAsync に画面読み込み時のデータ読み取り処理を記述します。 これで画面をリロードした際も、同じタブ内であればデータを保存し、再読み込みできます。
また、データが暗号化されていることも、開発者ツールから確認できます。
localStorage の場合
ProtectedSessionStorage を ProtectedLocalStorage に変更するだけです。 localStorage の場合は、ブラウザーを終了してもデータが保存されます。再度ブラウザーを起動すれば保存した値を読み込むことが可能です。localStorage に保存したデータは、有効期限がないため、システムから削除するか、ユーザーが自分で削除しない限りデータが残り続けることに注意してください。
localStorage の場合も、同様にデータが暗号化されます。
Blazor WebAssembly で Web Stroage を利用する方法
Blazor WebAssembly の場合は、Microsoft.AspNetCore.Components.Server.ProtectedBrowserStorage を利用できないため、サードパーティ製のライブラリを利用した例をご紹介します。
今回は、Blazored というライブラリを使ってみます。(https://github.com/Blazored) 導入は Nuget から、Blazored.SessionStorage、Blazored.LocalStorage を検索すると見つかります。
sessionStorage の場合
Blazored.SessionStorage を読み込み、builder にサービスを登録します。これで各 Razor コンポーネントから利用できます。
using Blazored.SessionStorage; ... builder.Services.AddBlazoredSessionStorage(); await builder.Build().RunAsync();
@page "/counter" @inject Blazored.SessionStorage.ISessionStorageService sessionStorage <PageTitle>Counter</PageTitle> <h1>Counter</h1> <p role="status">Current count: @currentCount</p> <button class="btn btn-primary" @onclick="IncrementCount">Click me</button> @code { private int currentCount = 0; protected override async Task OnInitializedAsync() { currentCount = await sessionStorage.GetItemAsync<int>("count"); } private void IncrementCount() { currentCount++; sessionStorage.SetItemAsync("count", currentCount); } }
Blazor Server の時と同様にデータの保存、読み込みができます。(Blazored を利用した場合は、OnInitializedAsync でも読み込みが可能なようです。) ただし、そのままではデータの暗号化はされないので、ユーザーが自由にデータの中身を確認できる点については注意してください。
localStorage の場合
読み込むライブラリが違うだけで、ほとんど同じように実装できます。
using Blazored.LocalStorage; using BlazorWasmBrowserStorage1; using Microsoft.AspNetCore.Components.Web; using Microsoft.AspNetCore.Components.WebAssembly.Hosting; var builder = WebAssemblyHostBuilder.CreateDefault(args); builder.RootComponents.Add<App>("##app"); builder.RootComponents.Add<HeadOutlet>("head::after"); builder.Services.AddScoped(sp => new HttpClient { BaseAddress = new Uri(builder.HostEnvironment.BaseAddress) }); builder.Services.AddBlazoredLocalStorage(); await builder.Build().RunAsync();
@page "/counter" @inject Blazored.LocalStorage.ILocalStorageService localStorage <PageTitle>Counter</PageTitle> <h1>Counter</h1> <p role="status">Current count: @currentCount</p> <button class="btn btn-primary" @onclick="IncrementCount">Click me</button> @code { private int currentCount = 0; protected override async Task OnInitializedAsync() { currentCount = await localStorage.GetItemAsync<int>("count"); } private void IncrementCount() { currentCount++; localStorage.SetItemAsync("count", currentCount); } }
まとめ
Blazor で Web Storage を利用する方法をご紹介しました。 ページ遷移でデータを保持するだけであれば、サービスをDIコンテナに Scoped で登録することでも対応可能ですが、ページリロード時にはデータが消失します。その場合でもデータを保持したい場合には、Web Storage を利用をご検討ください。 皆様のご参考になれば幸いです。
参考サイト
この記事は以下の情報を参考にして執筆しました。 - https://docs.microsoft.com/ja-jp/aspnet/core/blazor/state-management?view=aspnetcore-6.0&pivots=server##browser-storage-server
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