ソリューション・コンサルタントの山口です。本日、Web / デスクトップ / モバイル 様々な開発プラットフォームに対応するUI開発コンポーネントスイートの最新版「Infragistics Ultimate 2019 Vol.2」をリリースしました!
このエントリでは、今回のリリースでどのようなアップデートがあったのかを簡単にご紹介します。個別の機能については文中のリンクをご覧ください。
- はじめに
- .NET Core 3 の完全サポート
- 新しいWebプラットフォーム製品の提供開始
- Angular対応コンポーネントの機能拡張
- その他の製品アップデート
- トライアル版のダウンロード方法について
- まとめとセミナー開催のおしらせ
はじめに
今回のリリースでは、以下の3点が大きなアップデートとなります。
- .NET Core 3 の完全サポート
- 新しいWebプラットフォーム製品の提供開始
- Angular対応コンポーネントの機能拡張
.NET Core 3 の完全サポート
前回のメジャーリリースではWPF製品の.NET Core 3サポートが開始されましたが、今回のリリースで WPF / Windows Forms / ASP.NET MVC(ASP.NET Core) の全プラットフォームの製品において.NET Core 3がサポートされました。.NET Core 3を利用することで、C#の最新機能を利用したり、XAML Islands の利用やサイドバイサイドの配布など、様々な利点を享受することができます。また、Webアプリケーション開発においては、Ignite UI for JavascriptのASP.NET MVCアプリケーション向けのHelperモジュールを利用することで、.NET Core アプリケーションのView部分をRazor構文で開発をすすめることができます。
今回のアップデートで、開発者は.NETの最新機能やパフォーマンス改善など最新のアップデートを取り込みつつ、Webアプリやリッチクライアントアプリ、更にはIoTや人工知能(AI)、機械学習などのソリューションを弊社開発ツール「Infragistics Ultimate」をベースに開発することができるようになりました。
新しいWebプラットフォーム製品の提供開始
2010年から提供が開始された Ignite UI シリーズは、モダンなWeb開発のための軽量で高速かつリッチなグリッドやチャートなどのUI部品を提供していますが、これまでWeb技術の革新とともにIgnite UIも進化し続けています。ここ数年でSPA開発向けの Ignite UI for Angular や Ignite UI for React のリリースとモダンWeb開発のための製品が増えました。今回のリリースでは、ここに更に2つの最先端のテクノロジーをベースとした製品が追加されます。
- Web Components
- .NET Blazor
Ignite UI for Web Components
Web Componentsは、Webアプリケーションの中で再利用可能な独自のHTMLタグを扱えるようにするための技術です。1つのWebページを1枚の大きなHTML/CSSで書き上げるのではなく、共通化できるUIセットをコンポーネントとして切り出して定義し、それらを組み合わせて画面を開発することができます。なお、この技術は、Web標準の規格に沿っているため主要なモダンブラウザで利用することができ、また特定のライブラリやフレームワークに依存することもありません。 今回のリリースでは、このWeb ComponentsをベースとしたUIライブラリ Ignite UI for Web Components の提供を開始しました。
Ignite UI for Blazor (Previewバージョン)
Blazorは、.NETでインタラクティブなクライアントWeb UIを構築するためのフレームワークです。これまでASP.NETをベースとしたアプリケーションでは、クライアントサイドをインタラクティブにするためにJavascriptを書いて処理させる必要がありました。また、SPA(Single Page Application)を構築する場合は、例えばASP.NET API + Angular といった構成で.NETはあくまでサーバ側のデータを返すAPIのためのモジュールとして利用され、クライアントサイドはJavascriptフレームワークで開発される形となっていました。BlazorはそういったSPAアプリケーション開発を.NET & C# ベースで行うことができます。 今回のリリースでは、このBlazorに対応したUIライブラリIgnite UI for Blazorの提供を開始しました。
部品の種類
提供される部品の種類は、Ignite UI for Web Components も Ignite UI for Blazor どちらも同様で、高性能グリッドや50種類以上の表示タイプや金融に特化した様々なチャート、ExcelのUIを埋め込めるスプレッドシート、Excelそのものを扱えるExcelライブラリなどが収録されています。
収録されているコンポーネント:
- Data Grid
- Data Chart (50+ chart types)
- Financial Charting
- Doughnut Chart
- Pie Chart
- Sparkline
- Bullet Graph
- Linear Gauge
- Radial Gauge
- Geospatial Map
- Excel Spreadsheet
- Excel Library
- Zoom Slider
- etc...
Angular対応コンポーネントの機能拡張
Angular対応コンポーネントについては、前回のリリース(19.1)時点から多くのアップデートがあり、新しいコンポーネントの追加や既存コンポーネントの機能拡張がありました。
多段明細グリッド
1レコードを複数行にまたがってレイアウト・表示することができます。カラムを定義する際に行方向と列方向でそれぞれ始点と終点を指定することで複雑なレイアウトを組むことが可能となります。
行のドラッグ&ドロップ
グリッド内の行オブジェクトをドラッグ移動の実装を行いやすくする仕組みが提供されました。
高度なフィルター
グリッドのフィルター機能について、Excelライクなフィルターに加えて高度なフィルターを行うためのダイアログが追加されました。And条件とOr条件を組み合わせて複雑な条件式をフィルターに設定することができます。
マルチビューカレンダー
複数月を跨って表示や選択、範囲選択を行うことができるカレンダーが追加されました。
スパークライン
グリッドのセルの中に埋め込むことができるスパークラインが追加されました。売上データやトレンドなどを表す際に、数値の羅列ではなくスパークラインを用いると、ユーザがデータを理解しやすくなります。
Ignite UI CLI の拡張とドキュメント拡充
以前から提供されていた Ignite UI CLI のドキュメントが拡充されました。このCLIツールを利用することで、簡単にAngularアプリケーションをスキャフォールディングしたり、Ignite UI for Angularを含むテンプレートアプリケーションを生成してコードを確認することができます。ぜひ一度、ドキュメントを確認してみて下さい。
その他、細かいアップデートは Github Releases をご確認ください。
その他の製品アップデート
上記以外にも各プラットフォーム製品において新機能の追加などが行われています。細かいアップデートについては各製品のヘルプページよりご確認ください。
トライアル版のダウンロード方法について
Infragistics Ultimateは30日間ご利用いただけるトライアル版をご用意しています。また、期間中は技術サポートも併せて提供していますので、積極的にご利用ください。
まとめとセミナー開催のおしらせ
今回のアップデートでは、.NET Core 3へのサポートやWeb Components、Blazorに対応する製品提供など新しいプラットフォームへの対応が大きなキートピックとなりましたが、各主要な製品においても機能拡張を続けております。今後も弊社製品のアップデートにご期待下さい!
最後にセミナーのお知らせとなりますが、恒例となっているをAngularにフォーカスしたセミナーを2019年11月28日に開催します!
また、データ視覚化・BIダッシュボード組み込みソリューション「Reveal」にフォーカスしたセミナーも開催予定です。
ぜひこちらもご参加ください!