こんにちは、インフラジスティックス・ジャパン ソリューションコンサルタントの田上です。
本日は、App Builder を日々ご活用いただいている皆様にとって、今後の開発プロジェクトの安定性に大きく関わる可能性がある重要なお知らせがございます。
特に、React フレームワークで開発を進めているお客様にとっては、製品バージョンアップによる生成コードの仕様変更により、既存プロジェクトとの間で「ビルドが通らない」「思わぬ不具合が発生する」といった影響が発生するリスクが懸念されています。
この記事では、近日中に予定されている App Builder のバージョンアップを参考に、それに伴う Ignite UI コンポーネントの自動バージョン更新について詳しくご説明します。どういった対応が必要か、何を避けるべきか、わかりやすく整理していますので、ぜひ最後までお読みください。
🔄 自動的にバージョンアップされる仕組みとは?
App Builder は、ドラッグ&ドロップで UI を構築し、Angular / React / Blazor / Web Components 向けのコードを自動生成できるツールです。裏側では、弊社の UI コンポーネントライブラリ「Ignite UI」シリーズの各種バージョンが利用されています。
通常、App Builder のバージョンアップに伴い、これらのコンポーネントも最新バージョンへと自動で更新されます。これ自体は製品の進化として望ましいことではありますが、プロジェクト現場によっては思わぬ「バージョンアップ作業の発生」や「ソースコードの変更」など計画外のタスクが発生する場合があります。
⚠️ 例:React プロジェクトで重大な注意点
たとえば近日中にリリース予定の App Builder 新バージョンでは、不具合の修正とともに、React 向けの生成コードが Ignite UI for React v19 に対応するよう変更されます。
この変更により、これまでの v18 向けプロジェクトではそのまま新しいコードを組み込むと、ビルドエラーが発生する可能性があることがあります。
これは、v19 が v18 と比較して複数の「破壊的変更(breaking changes)」を含んでいるためです。
💡 解決策:2つの選択肢
App Builder 新バージョン(例:v19)の生成コードを既存プロジェクトに組み込むためには、以下のいずれかの対応が必要です。
✅ 方法1:既存プロジェクトを v19 にアップデートする
下記アップデートガイドに従って、お手元の React プロジェクト全体を Ignite UI for React v19 対応にあらかじめ更新してください。
この対応を行えば、新しい App Builder で生成されたコードをそのまま組み込むことが可能になります。
詳細は公式ガイドをご確認ください。
🔗 Ignite UI for React アップデートガイド(v18→v19)
✅ 方法2:生成コードを v18 用にダウングレードする
少し手間はかかりますが、新しい App Builder が生成した v19 向けコードを、手動で v18 向けに書き換えることも可能です。
上述のアップデートガイドに記載されている「変更点」を逆方向に適用していただく形となります。
📌 よくあるご質問
Q. React のバージョン自体も更新しないといけませんか?
→ いいえ、React v18 のままで問題ありません。Ignite UI for React v19 は React v18 上でも動作することを確認しております。
Q. Angular / Blazor / Web Components は?
→ 今回の注意点は主に React に関するものですが、今後同様の変更が他フレームワークでも起こりうるため、App Builder のアップデート時にはコンポーネントのバージョンにもご注意ください。
📝 おわりに
App Builder は継続的に進化を続けており、その恩恵を皆様にいち早くお届けできるよう努めています。しかしながら、こうした進化には時に既存環境との非互換が生じることがあります。
App Builder で生成されたコードは、常に最新の Ignite UI を使用しているという点をぜひご留意いただき、必要に応じてプロジェクトとの整合性確認・事前調整を行っていただけますと幸いです。
本件についてご不明点がございましたら、ぜひ弊社サポートまでお問い合わせください。
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