
こんにちは、Infragisticsソリューションコンサルタントの田上です。
本記事では、エンタープライズWebフロントエンドとして定番の 「Angular」 と、デザインからコードを自動生成できる 「App Builder」の組み合わせによる価値を解説します。
React / Web Components / Blazor など、多くの選択肢がある中で、
「なぜ、あえて Angular を選ぶのか?」
「なぜ、App Builder × Angular という組み合わせに投資するのか?」
この “選定理由” を、現場目線でしっかり言語化していきます。
今、多くの企業が「既存Web資産の刷新」や将来の「フロントエンド標準の選定」に悩んでいます。
技術トレンドに引きずられるようにフレームワークを選んでしまい、
- バージョンアップ追随コストが膨大になる
- デザインと実装が乖離し、画面改修のたびに工数が肥大化する
- プロジェクトごとに構成・書き方がバラバラになる
といった課題に直面している企業も少なくありません。
この課題に対して、「App Builder × Angular」 というアプローチは、「フレームワーク選定」+「UI設計」+「コード品質」 の3つを同時に解決できる現実的な選択肢です。
本記事では、こうした背景と「なぜAngularなのか?」という選定理由、そして具体的な導入メリットを詳しく解説します。
- 1. 冒頭 ― こんなお悩みはありませんか?
- 2. 背景 ― なぜ今「Angular」なのか?
- 3. React / Web Components / Blazor と比較したときの Angular の立ち位置
- 4. 「なぜ Angular を選ぶのか?」を一言で言うと
- 5. App Builder が解決すること ― Angular の“難しいところ”を肩代わりする
- 6. App Builder × Angular の運用をイメージしよう
- 7. App Builder × Angular が“選ばれる理由”のまとめ
1. 冒頭 ― こんなお悩みはありませんか?
Webアプリ開発・モダナイゼーションの現場で、次のような課題に心当たりはありませんか?
- 将来的なフレームワーク選定への不安:既に Java Spring や PHP、.NET で構築したWebアプリケーションを保有しており、これから選ぶフロントエンド技術が将来の負債にならないか不安がある
- 選択肢が多すぎて選べない:Windows Forms や WPFで築いてきた資産をWeb化したいが、HTML / CSS / TypeScript / React / Angular など、習得すべき技術が多すぎてチームに馴染むイメージがわかない
- 技術トレンドの移り変わり:Webの技術トレンドが数年ごとに変化する中で、「いま選ぶフレームワークが5年後も正しいのか?」という意思決定に自信が持てない
- Angular 選択の決定打が欲しい:ASP.NET Web Formsからの移行先として「React にすべきか? Blazor にすべきか? Angular にすべきか?」と迷い、決定打に欠けている
こうした悩みを抱える企業にこそ、
「App Builder × Angular」 という選択肢が大きな価値を発揮します。
2. 背景 ― なぜ今「Angular」なのか?
Web開発の歴史を簡単に振り返ると、次のような流れで主役が入れ替わってきました。
- jQuery 時代:DOM操作・Ajax・クロスブラウザ対応を簡単にするためのライブラリが主役だった時代。
- Angular / React / Vue 時代:コンポーネント志向・SPAによるリッチなUIが求められ、フレームワーク/ライブラリがアプリケーション全体を支える役割に。
- Blazor / Web Components時代:C# や標準仕様ベースのUIなど、技術スタックの選択肢が多様化。
この中で Angular は、
- TypeScript前提の フルスタックSPAフレームワーク
- ルーティング/フォーム/HTTPクライアント/DI/ビルドツールなどが最初から揃った “全部入り”
- 大規模・長期運用の企業システムを意識した 構造化・標準化された開発スタイル
という特徴を持っています。一方で、React / Web Components / Blazor なども魅力的な選択肢です。
では、その中で 「Angular を選ぶ理由」 は何でしょうか?
3. React / Web Components / Blazor と比較したときの Angular の立ち位置
3-1. React との違い ― 自由度か、一貫性か
React は UIライブラリとして非常に強力で、エコシステムも豊富ですが、実務では次のような判断が必要になります。
- ルーティング:react-router / Next.js など
- 状態管理:Redux / Zustand / Recoil / jotai など
- フォーム:react-hook-form / Formik など
- ビルド:Vite / Next.js / Webpack など
つまり、「何を組み合わせて、どう構成するか」 をアーキテクトや上級エンジニアが設計しなければなりません。
一方、Angular は最初から以下がセットになっています。
- ルーティング
- フォーム(テンプレート駆動 / リアクティブフォーム)
- HTTPクライアント
- DI(依存性注入)
- モジュール構造
- Angular CLI(ビルド/テスト/スキャフォールド)
React は自由度が高いため、強い個人が揃っているエンジニアチームで特に効果を発揮します。
一方、Angular はフレームワーク側が構造を提供するため、ジュニアデベロッパーが多い場合など、チーム全体の最低技術ラインを底上げしたい場合に効果的です。
3-2. Web Components との違い ― UI部品か、アプリケーションフレームワークか
Web Components はブラウザ標準仕様であり、
フレームワークに依存しないコンポーネント技術です。フレームワーク横断で使えるUI部品やライブラリには非常に適しています。
ただし、
- ルーティング
- 状態管理
- 画面遷移
- DI
- プロジェクト構成
などは自前設計となり、アプリケーション全体の枠組みは与えてくれません。
一方、Angular は、
- UIコンポーネントだけでなく
- アプリ全体をどう構築し、どう分割し、どう依存させるか
といった アプリケーションフレームワークとしてのガイド を提供してくれます。
3-3. Blazor との違い ― .NET に寄せるか、Web標準に寄せるか
Blazor は C# / .NET 開発者がそのままWebに進出できる、非常に魅力的な選択肢です。
- バックエンドもフロントエンドも C# で統一できる(一方で C# に制限される)
- 既存の .NET 資産を活かしやすい
一方で、Angular は Web標準(TypeScript / JavaScript)の世界に立っており、
- バックエンドが Java / PHP / Node.js / .NET など、どの技術でも組み合わせやすい
- フロントエンド人材として、TypeScript / Angular スキルを採用・育成しやすい
というメリットがあります。
.NET に全面的に寄せる戦略なら Blazor、バックエンド技術を問わず採用できるフロントエンド標準 を作るなら Angular という住み分けが見えてきます。
4. 「なぜ Angular を選ぶのか?」を一言で言うと
上記を踏まえて、一言でまとめると、
大規模・長期運用の業務システムを、
「チーム全体のスキル底上げ・組織として安定して開発するためのフレームワーク」
として Angular を選ぶ
という理由に集約されます。
もう少し具体化すると、下記の様なメリットがあります。
- フレームワーク側が構造とベストプラクティスを提供してくれる
- 新しく参加したメンバーも全プロジェクトで似た構造をすぐに理解できる
- TypeScript前提で、長期運用に耐えるコードを作りやすい
- 静的型チェックにより、「動かしてみないとわからない」バグを減らせる
- IDEの補完・リファクタリングが効きやすく、5年後・10年後の改修でも安心できる
- チーム・組織全体の「スキル最低ライン」を底上げできる
- ハイレベルな技術者がいなくても Angular パターンで開発することで一定以上の品質を標準化できる
- プロジェクト間で設計思想がバラバラになるリスクを軽減できる
こうした Angular の強みを、UI設計・画面開発の生産性と結びつけるのが「App Builder × Angular」という組み合わせです。
5. App Builder が解決すること ― Angular の“難しいところ”を肩代わりする
ここで登場するのが、Webアプリケーション開発に特化したUIデザイナー App Builder です。
App Builder 上で作成したUIデザインをもとに、BtoB業務アプリに必要な 実稼働レベルのAngularコードを自動生成 する強力なローコードツールです。
- デザインとコードの一元化
- App Builder 上で作成した画面デザインを、そのままAngularコードとして出力
- 「Figmaを見ながらAngularを手動コードで書き起こす」といった非生産的な作業を削減
- Angularの初期設計をほぼスキップできる
- コンポーネント構造・レイアウト・テーマなどをGUIで設計
- 出力されるプロジェクトはそのまま業務コードを追加コーディング可能
- 保守性の高いコード
- コンポーネント・サービス・モデルが整理された構造で出力されるため、長期運用を前提とした改修にも適応しやすい
- フロントエンド人材不足を補う
- デザイナーや非フロントエンドエンジニアでも、プロトタイプから実運用に近い画面まで到達できる
つまり、Angular の強み(構造化・長期運用性)と、App Builder の強み(設計~コード生成の一体化)を掛け合わせることで、「Angularは難しそうだからやめておこう」ではなく「App Builder があるならAngularで行こう」に変えられるというのがポイントです。
6. App Builder × Angular の運用をイメージしよう
6-1. App Builder でデザインしたWebアプリケーション
以下は App Builder で製作したデザインを、Angular向けにコード自動生成したサンプルのイメージです。
6-2. Angular で自動生成されたコード一式
App Builder からコード自動生成されたAngularプロジェクトでは、
以下のような特徴的な構造が出力されます。
- Angular 準拠のコード自動生成(スタンドアロンコンポーネント/モジュール)
- 画面ごとにコンポーネントが分割され、モジュールに整理
- データアクセス用サービス/モデルクラスなどが用意され、業務ロジックを追加しやすい構造
関連ブログ
App Builder のハンズオン記事はコチラです。
7. App Builder × Angular が“選ばれる理由”のまとめ
React / Web Components / Blazor はどれも素晴らしい技術です。その上で「Angular × App Builder」を選ぶ理由を整理すると、次のようになります。
Angularを選ぶ理由
- フレームワークとして一式揃っており、構造とベストプラクティスが提供される
- TypeScript前提で、長期運用に耐える静的型チェック・リファクタリング性 を得られる
- チーム全体・組織のスキル最低ラインを向上しやすい
App Builder を組み合わせる理由
- デザインとコードを一元化し、Figma → 手コーディングの二重作業を削減できる
- Angularの設計・構成をツールが肩代わりし、Angular の習得難易度を下げられる
- Ignite UI for Angular のUI部品(データグリッド/チャート)などを短期間で実装できる
これからWebに挑戦する企業、既存資産を刷新する企業にとって、「App Builder × Angular」 の組み合わせは、組織としてフロントエンド標準の開発プロセス全体をワンランク引き上げるための、現実的な選択肢になります。
ぜひ「Angular × App Builder」のトライアル・相談メニューをご活用ください。
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