
こんにちは!ソリューションコンサルタントの田上です。
これまでWindowsアプリケーション開発の現場では、WPF や Windows Forms(WinForms)が長らく標準的な技術でした。しかし、最近では環境の変化や新しい技術の登場により、「今のままでこの先も本当に大丈夫か?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
例えば、下記のような課題を感じていませんか?
- 「Win OS や .NET Framework のサポート切れが不安」
- 「社内の WPF/WinForms エンジニア数が減少傾向である」
- 「マルチデバイス対応(スマホ、タブレット)の必要性を感じている」
- 「デスクトップアプリで継続すべきか、Webアプリへ刷新すべきか悩む」
実際に、多くのお客様から「WPFで構築した社内業務システムをWeb化したいが、Webに舵を切るのは不安である...」というご相談をいただきます。現場の悩みは、単なる技術選定ではなく、開発プロセスや技術ナレッジの移行問題、チームのスキルセット、予算、保守性など多岐にわたります。
本記事では、「Visual Studioの快適な開発体験を維持しつつ、Webアプリに移行したい」というプロジェクトのマネージャーやC#エンジニアの方に最適な、新たなソリューションである App Builder をご紹介します。
現在のWPF/Windows Formsのノウハウや体制をできるだけ活かしつつ、最新技術でWeb化を推進する方法をご紹介します。
- Webアプリを Visual Studioで開発するプロセスの完成イメージ
- 1. WPF・WinFormsを取り巻く環境変化
- 2. Visual Studioから“脱却できない”課題
- 3. Web移行におけるよくある不安・リスク
- 4. App Builderとは? ― 新時代のローコードWeb UIツール
- 5. WPF/WinForms(旧)vs App Builder(新)の比較
- 6. App Builderを活用したWeb移行 実践イメージ
- 7. まとめ
Webアプリを Visual Studioで開発するプロセスの完成イメージ
WPF / Windows Forms からWebアプリへ移行した場合の、開発プロセスの完成イメージはこちらです。
- Visual Studio をWebアプリ開発でそのまま利用できる。
- デザイナー部分を App Builder へ差し替えるイメージになります。
- フロントエンドは全てApp Builder のコード自動生成機能によりソースコードが取得できます。
- バックエンドやビジネスロジックを Visual Studio で別途コーディングします。

1. WPF・WinFormsを取り巻く環境変化

Win OS や .NET Framework のサポート期限切れ
Windows OSや .NET Framework のバージョン更新は頻繁に行われており、サポート期限切れの問題が常に付きまといます。サポート切れのOSやフレームワークを使い続けるのは、セキュリティや信頼性の観点からも非常にリスキーです。
例えば、.NET Framework 4.8は今後も長期サポートされるとはいえ、マイクロソフトは .NET 6以降の「.NET(Core)」へ明確に舵を切っています。将来的なサポート終了を見据えると、早期の技術移行は避けて通れません。
開発者人口の減少
WPFやWinFormsのスキルを持つエンジニアが年々減少しています。若手エンジニアはWebやクラウドネイティブな技術へシフトしているため、今後の保守・運用体制にも不安が残ります。
新卒エンジニアに「WPFやWinFormsに触れたことがあるか?」と聞くと、多くは「名前だけ知っている」程度です。一方でReactやBlazor、Flutterといった新しいUIフレームワークはカリキュラムにも組み込まれ始めています。つまり、今のうちに移行を検討しておかなければ、“将来的な人材不足”というボトルネックに直面するリスクが高まるのです。
レガシー化・属人化
長年運用されているシステムほど、コードの属人化やレガシー化が進みがちです。開発担当者の退職や異動によって、システムのブラックボックス化が進行している現場も多いです。
スマホ・タブレット未対応
既存のWindowsアプリは、PC専用設計がほとんどです。スマホやタブレットでの利用が求められるシーンが増えている中、柔軟な対応が求められています。リモートワークやフレックスタイム制度の普及により、「社内業務システムもモバイルから使えないと困る」という声が年々増加。デスクトップ専用設計では、こうしたニーズに応えきれない現状があります。
マルチブラウザ未対応
Webアプリであれば、基本的にどんな端末・ブラウザからでも利用できますが、WPFやWinFormsアプリはこの点が非常に苦手です。
技術トレンドの進歩への遅れ
Webやクラウド技術は進化のスピードが速く、新しいUI/UXやセキュリティ技術の恩恵を受けるには、現状のままでは厳しいのが現実です。
2. Visual Studioから“脱却できない”課題

2-1. Visual Studioの開発フローになじみすぎている
Visual StudioのIDEでの開発に慣れすぎていると、他の方法に切り替えるのは大きな心理的ハードルがあります。Visual Studioは、統合開発環境としての完成度が非常に高く、多くのC#エンジニアが長年使い込んでいます。「IDEのUIが変わると逆に生産性が落ちる」という声もよく聞く話です。
2-2. ドラッグ&ドロップUIデザイナーの優秀さ
「UIデザイナーでパーツをレイアウトして、プロパティやイベントを直感的に設定できる」――。WPFやWindows FormsのUIデザイナーの快適さに慣れてしまっていると、Webフレームワーク、HTML、CSSのコーディング主体の開発プロセスを習得することが、なかなか大変ですよね。
WPFやWinFormsのフォームデザイナーは秀逸です。プロパティパネル、イベントハンドラの自動生成、レイアウト調整などが直感的に行える点は、Web開発環境ではなかなか得られない操作体験だと言えます
では、このフォームデザイナーの開発体験を“Webアプリ開発でも維持できる”としたらどうでしょうか?
2-3. UI部品とイベント処理の視覚的な連携
UIとロジックが統合されていて、かつ視覚的に確認できることは、効率的な開発に欠かせません。
WPF/Windows Forms 時代の「開発プロセスの良さ(主にデザイナー周辺の操作体験)」を手放さずにWebアプリへ移行できるなら、比較的リスクを抑えて、安心してWebアプリ開発への移行を検討できるのではないでしょうか。
3. Web移行におけるよくある不安・リスク

- 「HTMLやCSSを手書きするなんて、生産性が大幅に下がる……」
- 「Web移行したいが、どのフレームワークを選べばいいのか分からない」
- 「Visual Studioでのデバッグ環境に慣れてるのに……培ってきた技術が活かせない」
- 「社内やチーム全体のスキルセットを一気に変えるのは難しい」
これらの不安が、Webアプリ移行の最大の障壁です。だからこそ、「学習コストが少なく、C#ベース(Blazor)で開発を続けられる」エンジニアのための、Webアプリ開発プラットフォームである App Builder が注目されています。
4. App Builderとは? ― 新時代のローコードWeb UIツール

App Builder は、Infragisticsが提供する クラウドベースのWebアプリ開発プラットフォーム。UI設計からコード生成、Visual Studioへの受け渡しまでを一貫して行える“フルスタックUI設計ツール”です。
最大の特徴は、WYSIWYG(What You See Is What You Get)型のインターフェイスと、ドラッグ&ドロップによるピクセル単位のUI設計、そして60種類以上の高機能なInfragistics UIコンポーネントを備えている点です。これにより、エンジニアはデザイン設計からコード生成までを一気通貫で行うことができます。
App Builderの特徴
- クラウドベースのローコード開発環境
- ドラッグ&ドロップでUIをデザイン
- Blazor(C#)向けのコードを自動生成
- Visual Studioとの連携がシームレス
- エンタープライズグレードのUI部品が揃っている
インターフェースの操作性は?
- WPF/WinFormsのUIデザイン体験と同等以上の操作性
- UIコンポーネントのプロパティでマルチアクションのイベント処理が可能
- UIコンポーネントのプロパティでAPIと連携できる
- Blazor(C#)でコード自動生成後はVisual Studioで従来どおり開発が可能
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5. WPF/WinForms(旧)vs App Builder(新)の比較

| 項目 | WPF/WinForms(旧) | App Builder(新) |
|---|---|---|
| デザイン工程 | ドラッグ&ドロップで直感的 | ドラッグ&ドロップで直感的(Web対応) |
| UI/イベント設定 | プロパティで視覚的に連携 | プロパティで視覚的に連携 |
| コーディング工程 | C#で開発 | Blazor(C#)で開発できる |
| 追加ロジック | Visual Studioでコーディング | Visual Studioでコーディング可能! |
| 開発効率 | 非常に高い | コード生成もあり更に高い、Webもマルチ対応 |
| マルチデバイス | PC専用設計 | スマホ、タブレットのレスポンシブデザイン対応 |
App Builderでは、「WPF/WinFormsの体験をWebアプリ開発へそのまま拡張」できます。移行後もVisual Studioがそのまま使えることで、開発手順やチームのスキルセットを活かしつつ、Webの世界へスムーズに飛び込めます。
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6. App Builderを活用したWeb移行 実践イメージ
ステップ1:UIデザイン
- クラウド上でApp Builderを開き、Web UIもドラッグ&ドロップで設計。
- パーツ配置やスタイル調整もプロパティエディタから可能。
- WPF/WinFormsの Visual Studio IDE に近い操作感でデザインできる。

ステップ2:ロジック連携/コード自動生成
- イベントハンドラーもグラフィカルに設定。
- 必要なときは、「コード生成」ボタンで「Blazor(C#)のソースコード」を自動作成。
- 「C#開発者」にとってWebアプリへ移行を検討する際の、魅力的なプラットフォーム

ステップ3:Visual Studioでのビジネスロジックを追加コーディング
- 自動生成したコードをVisual Studioで開き、Blazor(C#)で追加コーディング
- Visual Studio をそのまま使用し続けることができる
- WPF/WinForms で培った技術ノウハウを、移行後も活かすことができる
ステップ4:Webにデプロイ
- 作ったアプリをAzure等へそのまま展開可能。
- マルチブラウザ・マルチデバイスに即対応。
7. まとめ
もし今あなたが・・・
- 「.NET Framework のサポート切れが不安」
- 「社内の WPF/WinForms エンジニアが減少傾向にある」
- 「 WPF/WinForms を脱却してWebアプリ開発を検討したい」
- 「Webアプリのマルチデバイス対応の必要性を感じている」
このような課題感をお持ちなら、 「App Builder」の活用で、現行資産や開発体制を活かしつつ、リスクを抑えてスムーズにWeb移行を進められます。
App Builder AIは、BtoB業務システムの複雑な要件にも柔軟に対応し、設計から実装、API連携、コード生成までをワンストップで実現。スクラッチ開発の経験を持つエンジニアにこそ、App Builderの真価が発揮されます。
今後もApp Builderは、AIの進化や新たなUIコンポーネントの追加、API連携の強化など、エンタープライズ開発の現場を支えるプラットフォームとして進化し続けるでしょう。BtoB業務システム開発の新たなスタンダードとして、ぜひ活用を検討してみてください。
ぜひ、App Builder を活用してデザインからコード自動生成する世界を体験してみてください。すべてを体験するには、App Builder 無料トライアル にアクセスして最新バージョンを入手してください。
- 「こんなことは実現できるの?」
- 「どうやって実装すれば良いの?」
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ぜひ japansalesgroup@infragistics.com まで、お気軽にお問合せください。ご意見ご要望を心よりお待ちしています。
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