
こんにちは、Infragisticsソリューションコンサルタントの田上です。
本記事では、近年急速に広がるAIサービスの活用について“ランニングコスト増加”という大きな課題について解説します。
今、多くの企業がAIを業務効率化の切り札として導入していますが、実際の現場では「AIは優秀だが壁打ちに掛かるコストが大きい」「電力コストやクラウド費用が膨らむ」といった課題が顕在化しています。 また、AIにフロントエンドのコーディングを任せることは容易ではなく、デザイン性やレスポンシブ対応など、人の手による品質管理が欠かせません。
このような背景の中、“AIのランニングコスト地獄”に依存しない固定費型の開発基盤として注目されているのが、Infragistics の「Ignite UI(高品質なUIライブラリ)」と、ローコード開発ツール「App Builder(AIプロンプトによるUIデザイン設計)」です。
本記事では、AI時代における開発コストの本質と、固定費で導入できる Infragistics の真価を詳しく解説します。
- 1. AIブームの光と影
- 2. AIサービスによる肥大化するランニングコスト
- 3. AIの電力依存性が生んだ新たな環境問題
- 4. AIでの「フロントエンドコーディング」はなぜ難しいのか?
- 5. Ignite UIが解決する「品質の高さ」と「固定費」の両立
- 6. App Builderで「AI×UIデザイン」の最短経路を実現しよう
- 7. AIの"ランニングコスト地獄”から脱するために
- 8. 「AIスクラッチ開発」より「安定した品質のUIライブラリ」
1. AIブームの光と影
AIの登場は、企業の業務効率を劇的に変化させました。 ChatGPT、Claude、Gemini、Copilot──いまやAIはビジネスのあらゆる場面に溶け込み、文章作成からプログラミング、デザイン生成まで、私たちの仕事を支える存在になっています。
しかし、冷静に考えてみると、AIを活用すればするほどコストが増加していく現実に気づきます。 それは単に利用料金だけでなく、「AIが使う電力」「リクエスト試行の回数」「出力のやり直し」「再学習・再生成」など、あらゆる面に潜むランニングコストです。
- AIと試行するリクエスト回数の増加
- AI出力のやり直し回数の増加
- 再学習・再生成に掛かるランニングコストの増加
- AIが使用する電力量の増加
AIを賢く活用することは、今や「技術力」だけでなく「コスト設計力」も求められる時代に突入したと言えるでしょう。
2. AIサービスによる肥大化するランニングコスト
AIは確かに便利です。しかし「AIが回答してくれる」裏では、膨大な計算資源が動いています。 例えば、ChatGPTのような大規模言語モデル(LLM)は、1回の応答に数千〜数万回の演算を行い、そのたびに電力とクラウドサーバーの使用料が発生しています。
ユーザー側も同様です。 企業がAI APIを導入すると、利用回数・トークン数・生成文字数などに応じて課金される従量課金制が一般的です。 しかも、「1回のリクエストで満足いく結果を得られる」ことはほとんどありません。
「画面上部に検索用のテキスト部品、画面中央にチャート、画面下部にツリーグリッド」 「さらに各UI部品に対する詳細な指示プロンプトが必要」 「グリッドにはソート、フィルタ、エクスポート、単一と複数選択、列のピン固定やページングも必要」
・・・どこまでもAI指示は続いていきます。
こうした修正指示を繰り返すたびに、AIリクエストはカウントアップされ、コストが積み上がっていくのです。
AIの壁打ちは、見えないランニングコストを生む行為でもあります。
3. AIの電力依存性が生んだ新たな環境問題
AIが動くためには、膨大な電力が必要です。 生成AIを支えるデータセンターでは、GPUによる並列演算が行われており、世界中でAIが増えるたびに消費電力も増大しています。
国際エネルギー機関(IEA)の試算では、AIによる電力消費は2030年までに世界全体の約8%に達すると予測されています。つまり、AIの進化そのものが、地球規模のエネルギー問題に直結しているのです。
企業視点で見ても、AIを利用すればするほどクラウドの利用料や電気代が増え、結果的に運用コストが膨らみます。 AI活用が拡大することは同時に、ITインフラの“ランニング負担”を拡大させることを意味します。
この環境問題は、AI活用の節約や見直しを促進させ、企業活動にも影響がでることでしょう。
- IEA公式サイト(英語): Energy and AI – Executive Summary
- PDF版(英語): Energy and AI – 日本語版
4. AIでの「フロントエンドコーディング」はなぜ難しいのか?
AIにコードを書かせる──これはもはや特別なことではありません。AIを活用しようとするすべてのユーザーにとって身近なことになりつつあります。
例えば、バックエンドのロジックやSQLクエリ生成など、構造が明確な部分ではAIの支援は非常に有効です。しかし一方で、「フロントエンドのコーディング」をAI活用で開発しようとすると非常にコストが掛かります。
なぜなら、フロントエンドのUI開発は「正解が1つではない領域」だからです。
- バックエンドはAIコーディングしやすい(正解が1つに収束しやすい)
- フロントエンドはAIコーディングが難しい(正解が複数存在する)
どの位置にボタンを配置するか、テキストサイズや配色をどう調整するか──これらは単なるコードではなく、「デザインの美しさ」や「ユーザビリティ」といった感性に関わる領域です。AIが自動生成したHTMLやCSSは、論理的には動作しても、100%の成果物がAI生成によって得られるか?というと疑問が残ります。
- マージンが微妙にズレている
- PC版とスマホ版を切り替えるとレイアウトが崩れる
- 配色やフォントがブランドトーンに合わない
このような課題を残しがちです。
そのため、多くのエンジニアはAIにコードを生成させた後、結局「人間が手直しをする」ことになります。 このプロセスでは「AIとの壁打ちコスト」や「生成後の人手コスト」が、AI導入の想定外コストとして現場を圧迫しているのです。
5. Ignite UIが解決する「品質の高さ」と「固定費」の両立
ここで注目されているのが、InfragisticsのUIライブラリ 「Ignite UI」 です。 Ignite UIは、AIによる自動生成の不安定さに頼らず、常に高品質なUIを短時間で構築できる製品です。
Webアプリケーション向けUIライブラリ
- Ignite UI for React
- Ignite UI for Blazor
- Ignite UI for Angular
- Ignite UI for Web Components
- Ultimate UI for ASP.NET Web Forms
- Ultimate UI for ASP.NET Core
- Ultimate UI for ASP.NET MVC
- Ultimate UI for jQuery
デスクトップアプリケーション向けUIライブラリ
最大の特徴は、すべてのUIコンポーネントが「品質保証済み」であること。 ボタン、グリッド、チャート、フォームなど、あらゆる部品に必要な機能が「ビルトインされている」「実運用で崩れない」「アクセシビリティ対応済み」です。
さらに、Infragisticsのコードを学習させたAIコーディングとの連携も可能です。
たとえば、AIに「営業成績を月別に可視化したダッシュボードを作成して」と指示すれば、Ignite UIのチャートやグリッドをベースに、AIが正確な構造でコードを組み立てることができます。
大がかりな部品をAIでスクラッチ開発しようとすると多大なコストが掛かってしまいますが、固定費で導入することができるInfragisticsのコードと組み合わせることによって、誰がAIプロンプトで指示したとしても、同品質のUI部品を生成することができます。
これは、単に「AIがコードを書く」というレベルを超えた、AI×UI品質の最適解になります。
Ignite UIはサブスクリプション制の“固定費”モデルで利用できるため、AIのように従量課金のリクエスト単価で変動することはありません。どれだけ利用しても、どれだけプロジェクトを作っても、コストは一定。「AIの試行回数課金」に悩まされることはないのです。
6. App Builderで「AI×UIデザイン」の最短経路を実現しよう
さらに、Infragisticsのもうひとつの革新的ツールが 「App Builder」 です。 App Builderは、ノーコード/ローコードでWebアプリのUIを設計し、React・Blazor・Angular・Web Componentsなどの実コードを自動生成できるプラットフォームです。
ここで注目すべきは、AIプロンプトによるデザイン配置が可能になっている点です。 たとえば、以下のように指示するだけで、AIが瞬時にUIを構築します。
「売上データをグリッドと円グラフで表示するダッシュボードを作って」
App Builderは、AIが生成した構造をIgnite UIのコンポーネントに自動でマッピングし、確実に動作するUIを形成します。 「AIが曖昧なレイアウトを出して人が修正する」という非効率を排除し、デザインからコードまで一気通貫の品質保証を実現します。
さらに、生成されたコードは自社リポジトリで管理でき、AI依存ではなく「自社資産」として蓄積できる点も大きな強みです。
例:App Builder AI の入力プロンプトで「複雑なタブUI画面」を生成する
こちらは関連ブログの紹介です。App Builder に搭載されているAI機能(App Builder AI)によって、フロントエンドのUIデザインをプロンプトからAIコーディングすることができます。
7. AIの"ランニングコスト地獄”から脱するために
AIは間違いなく強力なツールですが、現実的に考えると「1回の正解」を得るまでには試行錯誤が必要であり、そのたびにコストが積み上がります。さらに、AIを多用するほど、クラウド課金や電力使用量、インフラ負担も増大していきます。
一方、InfragisticsのようなUIライブラリや設計支援ツールは、固定費で高品質を維持し続ける“持続可能なソリューション”です。つまり、AIに頼るよりも「確実に動く・壊れないUI」を手に入れる最短ルートになるアプローチ方法だということです。
8. 「AIスクラッチ開発」より「安定した品質のUIライブラリ」
AIを使って壁打ちを続けるよりも、安定した品質を提供する仕組みを導入することが、これからの時代の賢いIT投資になってきます。
- AIは試行回数による従量課金コストが増える
- フロントエンド開発はAIだけでは完結しない課題が残る
- 電力・処理コストは必ずボトルネックになる
- Infragisticsは固定費で導入でき、確実に品質を担保できる
Infragisticsの Ignite UI と App Builder は、AIを「正しく、効率的に」使うための現実解です。 AIの便利さに振り回されるのではなく、確実に成果を出せるUI設計環境を、自社の武器として取り入れてみてください。
結果的に、生産性・品質・コスト安定性のすべてを両立できるアプローチ方法になるでしょう。
AIの急速な普及は、新しい価値をもたらす一方で、企業のコスト構造にも大きな変化を与えています。「AIを使えば使うほどコストが積み上がる」この現実に対し、Infragistics のUIライブラリは「固定費で品質を確保する」という持続可能な解決策を提供します。
👉 今後のWeb開発においては、「AI任せではなく、安定した品質を再現できる基盤の選定」が重要です。 App Builder と Ignite UI を活用し、AI時代に対応した固定費型・高品質開発プロセスをぜひ体感してみてください。
無料トライアルのご案内
こちらからトライアルへご参加できます。
無料相談会のご案内
専門コンサルタントが直接ご質問にお答えし、貴社に最適な移行戦略をご提案します。

