こんにちは!
テクニカルコンサルティングチームの古堅です。
最近のフロントエンド開発では、グローバル展開を意識した多言語対応が必要となる場合も多いかと思います。
本記事では、React の多言語対応で人気のあるライブラリ Format.JS と react-i18next を比較してみました。
- 概要
- Format.JS vs react-i18next
- まとめ
- Ignite UI for React トライアル版を利用するには
- 開発全般に関するご相談はお任せください!
- 技術サポート・無料オンライン相談会をご利用ください
概要
Format.JS
高機能な多言語対応の機能提供します。
基本的な利用方法としては、Formatted*** という名前のコンポーネントが用意されており、表示したいデータタイプ (文字列、日付、数値、通貨) 毎に、最適化されたコンポーネントを配置することで、多言語に対応します。
サンプルコード
<p> <FormattedMessage id="TopPage.Title" description="トップページで利用されているタイトルリソースです" /> </p>
結果
<p> トップページ </p>
id プロパティには、メッセージを特定するためのキーを設定し、description には、補足情報を記載することが出来ます。
react-i18next
非常にシンプルな多言語機能を提供するライブラリです。
シンプルながらも、必要最小限の機能は提供されており、また、利用方法も t('id') の形式で記載できるため、コード量も、非常にコンパクトに多言語化対応を実現することが出来ます。
サンプルコード
<p> t('TopPage.Title') </p>
結果
<p> トップページ </p>
Format.JS vs react-i18next
初期化方法、セットアップについて
Format.JS の場合
IntlProvider コンポーネントに設定します。
locale、messages などのプロパティに位置情報や、対応メッセージ情報を設定することで多言語対応のセットアップを行います。
<IntlProvider locale={locale} messages={messages}> <App importantDate={new Date(1459913574887)} /> </IntlProvider>
設定オプション
interface IntlConfig { locale: string formats: CustomFormats messages: Record<string, string> | Record<string, MessageFormatElement[]> defaultLocale: string defaultFormats: CustomFormats timeZone?: string textComponent?: React.ComponentType | keyof React.ReactHTML wrapRichTextChunksInFragment?: boolean defaultRichTextElements?: Record<string, FormatXMLElementFn<React.ReactNode>> onError(err: string): void }
react-i18next の場合
react-i18next の init 関数にて、多言語化対応のセットアップを行います。
i18n.use(initReactI18next).init({ debug: true, resources: { en: { translation: enJson }, ja: { translation: jaJson }, }, lng: 'en' });
各言語のフォーマット(日付、通貨)に対応しているか?
Format.JS は、フォーマット機能を提供しています。
react-i18next にはフォーマット機能はなく、自前で対応する必要があります。
Format.JS の場合
日付
<FormattedDate value={new Date(1459832991883)} year="numeric" month="long" day="2-digit" />
2016年4月05日
通貨
<FormattedNumber value={1000} style="currency" />
$1000
フォーマットを変更したい場合
例えば、2021年4月 ではなく 2021/04/20 をフォーマットとして定義したい場合、IntlProvider コンポーネントの formats プロパティに、カスタムフォーマットを定義することが出来ます。
interface IntlConfig { locale: string formats: CustomFormats messages: Record<string, string> | Record<string, MessageFormatElement[]> defaultLocale: string defaultFormats: CustomFormats timeZone?: string textComponent?: React.ComponentType | keyof React.ReactHTML wrapRichTextChunksInFragment?: boolean defaultRichTextElements?: Record<string, FormatXMLElementFn<React.ReactNode>> onError(err: string): void }
多言語が適用される範囲について
Format.JS の場合
InitProvider コンポーネントを配置した、配下のコンポーネント内で、 Formattedxxx コンポーネントが利用ができます。
InitProvider コンポーネントは、個々のコンポーネント毎に配置することも出来ますし、例えば、App コンポーネントなどの上位階層に配置することでアプリケーション全体に適応することもできます。
<IntlProvider locale={'en'} > <App /> </IntlProvider>
react-i18next の場合
各コンポーネントにて、useTranslation で利用できます。
const [t, i18n] = useTranslation(); return ( <p> t('Title') </p> );
言語リソースの追加、削除、変更が簡単にできるか?
いずれも JSON 形式でデータを管理できますので、リソースファイルを外出し、既存のソースコードに影響を与えることなく、言語リソースの管理を行えます。
リアルタイムに言語の切り替えができるか?
どちらもリアルタイムで切り替えることができます。
Format.JS の場合
IntlProvider の locale プロパティを変更する事により、切り替えることが出来ます。
<IntlProvider locale={'en'} > <App /> </IntlProvider>
react-i18next の場合
changeLanguage 関数を呼び出して言語の切り替えを行う事が出来ます。
i18n.changeLanguage('en');
まとめ
それぞれの特徴をまとめると、
・Format.JS は、多言語化に必要な機能を全て詰め込んだライブラリ。
・react-i18next は、多言語化対応に必要最小限なリソースの管理を行い、フォーマット等は、デベロッパーに任せる。など、カスタマイズ性が高い。
初めて多言語化対応を行う場合は Format.JS がおすすめです。
フォーマット機能が強力であることや、オプションを設定により、大まかな動作変更も対応しているため、殆どのアプリケーションで活躍できるかと思います。
または、既に多言語対応のアプリケーションの開発経験があり、細かいカスタマイズする必要がある場合には、 react-i18next の採用が良いかもしれませんね。
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