
こんにちは、Infragistics ソリューションコンサルタントの田上です。
本記事では、Reactアプリで大量データをリアルタイムに描画するための「チャートUI」についてご紹介します。地味に見えて、実装のパフォーマンスとUXを大きく左右するのが「チャートの描画処理」。特にReactでは、クライアント負荷や更新処理とのバランスが課題になりがちです。
次のようなお悩みをお持ちの方、いらっしゃいませんか?
- Reactで時系列チャートを描画したいが、数万件以上のデータで動作が重い
- 0.1秒~1秒ごとに更新されるトレンドデータを、滑らかに描画したい
- ズーム・パン・ライン・オーバーレイなど分析に必要なUI操作も実装したい
- Webアプリでも、デスクトップ並みの描画性能を出したい
このような悩みをお持ちではないでしょうか?
多くのチャートライブラリは、Reactとの親和性に課題があったり、数万~数十万件を超えると表示が重くなるといった問題を抱えています。特に、製造業のセンシングデータ、株価やFXなどの金融トレンド、IoTのリアルタイム監視といったケースでは、秒単位で変化する大量データを視覚的に処理できることが求められます。
こうしたニーズに応えるのが、InfragisticsのReact対応UI「Financial Chart(フィナンシャルチャート)」です。
本記事では、1,000~100万データポイントの「大量データ」に対応しつつ、高頻度なリアルタイム描画やインタラクティブ操作もスムーズに実現できる、Financial Chartの特徴をご紹介します。
- 👉 実際のデモはこちら
- 📈 Financial Chartとは?
- 🔄 高速リアルタイム描画(0.0秒~1.0秒間隔、3FPS~72FPS)
- 💡 1,000~10,000ポイントを軽快に表示
- 🔍 ズームイン・ズームアウト(Zoom)
- ↔ パン(Panning)でスライド操作も快適
- 📏 縦軸ライン(Slice Layer)で正確な読み取り
- 🖊 任意の直線(Line Layer)を自由に描画
- 🔲 矩形ボックス(Rect Layer)で範囲を可視化
- 🟪 X軸レンジの背景強調(Strip Layer)
- ⚠ 大量データ取り扱い時の注意点
- 🔧 パフォーマンス改善のポイント
- ✅ まとめ:React × 大量データならFinancial Chartが最適解
- 🔗 参考リンク
- まとめ
👉 実際のデモはこちら
- ※ブラウザのローディング完了後に高速に動作します。(40~70FPS)
- ※ローディング完了まで30~60秒ほどかかります。
📈 Financial Chartとは?
Infragisticsが提供するUIライブラリ「Ignite UI for React」の一部として提供されているFinancial Chartは、大量かつリアルタイム性の高いデータを滑らかに描画することに特化したチャートコンポーネントです。
通常の折れ線グラフやローソク足チャートに加えて、分析機能やインタラクションにも優れています。特に、以下のようなシナリオで効果を発揮します。
- 秒単位で変化するセンサー値の監視
- 金融市場のリアルタイムトレンド表示
- 産業機械や製造ラインの状態表示
- ネットワークトラフィックの可視化
🔄 高速リアルタイム描画(0.0秒~1.0秒間隔、3FPS~72FPS)
Financial Chartは、3FPS(1.0秒単位)から最大72FPS(0.1秒単位)まで、ユーザーの要件に応じたリアルタイム更新をサポートしています。
更新間隔は0.0秒〜1.0秒の範囲で設定可能で、特に0.1秒間隔での更新においてもスムーズに描画が続く点が最大の特長です。
💡 1,000~10,000ポイントを軽快に表示
チャートにおいて最も重要なのは「滑らかな表示」。Financial Chartは、1,000〜10,000ポイントのデータを描画した場合でも、スクロール・ズーム・更新が快適に行えます。
さらに、100,000ポイントや1,000,000ポイント(100万)まで描画可能なパフォーマンスが備わっており、大量データを扱う業務でも安心です。
⚠ ただし、100万ポイント以上を扱う場合は、お客様環境での検証を推奨します(詳細は後述)。
🔍 ズームイン・ズームアウト(Zoom)
マウスホイールやタッチ操作によって、任意のエリアを拡大・縮小することができます。
- 線の密度が濃いエリアでは拡大して詳細に分析
- 全体のトレンドを見るときには縮小
- といった使い分けが、直感的な操作で可能です。
↔ パン(Panning)でスライド操作も快適
Zoomとセットで便利なのがPanning(パンニング)機能です。グラフ上をドラッグして水平方向にスライドすることで、指定範囲外のデータも即座に参照可能です。
これにより、「大量データの全体把握と詳細分析」が同時に実現できます。
- ※ローディング完了まで30~60秒ほどかかります。
📏 縦軸ライン(Slice Layer)で正確な読み取り
分析用途では、特定の時点の値を読み取りたいケースが多くあります。Financial Chartでは、縦軸ライン(Slice Layer)を表示することができます。
- 指定ポイントの価格や値を正確に把握
- 複数シリーズを一括で比較

🖊 任意の直線(Line Layer)を自由に描画
Slice Layerに加えて、任意の直線(Line Layer)も描画可能です。
- 水平線で「目標値」や「上限・下限ライン」を明示
- 斜め線で「トレンドライン」を引く
- カスタムイベントラインを描画

🔲 矩形ボックス(Rect Layer)で範囲を可視化
一定期間の注目範囲や異常エリアを矩形で強調表示できます。
- 「この1時間のデータを注目」として矩形を重ねる
- 故障検知時の範囲をハイライト

🟪 X軸レンジの背景強調(Strip Layer)
Strip Layerは、X軸上の特定のレンジに背景色をつける機能です。
- 営業時間帯や夜間などの時間帯ごとに色分け
- 閑散期/繁忙期などの区別

⚠ 大量データ取り扱い時の注意点
InfragisticsのFinancial Chartは非常に高性能ですが、下記の基準があります。
- Gridコンポーネント:最大100万レコード
- Chartコンポーネント:最大100万データポイント(プロット)
この数値はあくまで目安であり、実際にはデータの種類・更新頻度・デバイス性能などによってパフォーマンスが変動します。
もし、「100万データポイント以上の描画」を想定する場合は、社内でしっかり事前検証をされることを強く推奨します。
🔧 パフォーマンス改善のポイント
- データは不要部分をフィルタリングして渡す
- 描画範囲を制限しておく
- 更新は差分のみに絞る
プログラム処理の中でも、上記の様な改善対応を施すことを推奨しています。
✅ まとめ:React × 大量データならFinancial Chartが最適解
Reactで大量データを扱うチャートを探しているなら、Infragisticsの「Financial Chart(フィナンシャルチャート)」は非常に有力な選択肢です。
- 高速でリアルタイム描画(最大72FPS)
- 最大100万ポイントまで滑らかに表示
- Zoom・Pan・ライン・オーバーレイなど分析機能も充実
- ブラウザやマシンに負荷をかけすぎず、長時間稼働も安心
「Webアプリでもネイティブアプリ並みのパフォーマンスを出したい」と考えている方には、まさにピッタリのUIコンポーネントです。
🔗 参考リンク
まとめ
Reactアプリで大量の時系列データをリアルタイムに描画しつつ、ズーム・パン・分析ラインなど高度なUI機能を取り入れたいと考える現場において、Infragisticsの「Financial Chart(フィナンシャルチャート)」はとても頼れる存在です。
単なるグラフ表示だけでなく、UX・パフォーマンス・拡張性をすべて備えたチャートコンポーネントは、日々の開発業務を確実に効率化してくれるはずです。
まだ触れたことがなかった方は、ぜひ今日から試してみてください。
Reactと相性の良いハイパフォーマンスなチャートを使って、大量データの視覚化を“弱み・課題”ではなく“強み・優位性”に変えていきましょう。
実際の動きを体験したい方は、Financial Chart デモをご覧ください。
すべてを体験するには、Ignite UI for React 無料トライアル にアクセスして、最新バージョンをぜひお試しください。
- 「こんなことは実現できるの?」
- 「どうやって実装すれば良いの?」
といった開発上の疑問にソリューションコンサルタントが直接お答えします。
ぜひ japansalesgroup@infragistics.com まで、お気軽にお問合せください。ご意見ご要望を心よりお待ちしています。
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