インフラジスティックス・ジャパン株式会社プロダクトマーケティングマネージャーの池原です。
すこしお時間があきましたが、2019年3月8日に「デスクトップアプリ向け.NET Core 3対応セミナー」を開催した際のイベントレポートをお届けします。
開催のきっかけ
以前のエントリでも言及していますが、.NET Core 3でWPFやWindows Formsがサポートされるということで、.NET Frameworkを現在利用されている場合に少なからず混乱が生じると感じました。黒魔術のようにWin32APIを利用していたらどうなるんだろう?弊社も含めてこれまで使用してきたライブラリーはどうなるんだろう?というご質問をいただくことになると感じたため、今回のセミナーを実施しました。
たてつけ
今回はリコージャパン株式会社の中村様、株式会社Codeerの石川様のご協力を得ることができ、「.NET Core 3.0への移行」「UIコントロールの対応状況」「テスト戦略」の3本でセミナーを企画させていただきました。
当日の様子
当日の様子をセッション資料へのリンクと共に振り返ります。
.NET Core 3.0時代のデスクトップアプリ開発戦略を考える
リコージャパン株式会社の中村様のセッションでは、主に「デスクトップアプリを.NET Coreで開発するモチベーションとは?」、「実業務アプリを実際に.NET CoreにLive Migration」の2点についてお話いただきました。
デスクトップアプリを.NET Coreで開発するモチベーションとは?
.NET Coreで開発する大きな利点の1つとして、マイクロソフト社の開発の中心は既存の.NET Frameworkから.NET Coreへシフトしているということが挙げられていました。今後実装される機能は.NET Coreが最初に適用され、.NET Frameworkには反映されなくなるかもしれませんね。噂レベルで、.NET Framework 5は出ないかも?とも。
その上でサイドバイサイドやランタイムの同梱配布など魅力的な機能を活用できるとのことでした。
実業務アプリを実際に.NET CoreにLive Migration
新規アプリ開発は.NET Coreを採用するとして、既存アプリはどうするんだ?ということで実際に業務で利用されているWPFアプリのマイグレーションデモをここでは実施されていました。
残念ながら撮影・つぶやき禁止のため、詳細は控えますが、冒頭に出てきていた想定質問に答えるようにサードパーティーライブラリの利用や、GDI+依存をしているアプリの移行について現在どうできるのか、どこに落とし穴が存在するのかを実演されていました。
セッション資料:
デスクトップ向けUIコンポーネントの対応状況と今後の予定
私のセッションでは、Infragistics Ultimateに含まれるWPF、Windows Forms対応コントロールについて、現時点のサポート状況と、今後のスケジュールについてご紹介しました。
現時点の最新バージョンである2018 Vol.2を用いて.NET Core 3 Previewで動作させるデモや、移行したサンプルアプリケーションなどをご紹介しましたが、現時点ではまだサポートしていません。
2019年4月にリリースする予定の2019 Vol.1でのサポートを表明しました。
セッション資料:
.NET Core 3移行に向けてのテスト自動化戦略
最後のセッションは株式会社Codeerの石川様から移行の際のテスト戦略についてお話いただきました。
.NET Frameworkから.NET Coreに移行する際に、品質に関しては、良いことしか起きない。悪いことは何もない。が求められるようになるのではないか?という投げかけからセッションが始まりました。
この要件に対応するためのテストの考え方や、手法、更にテスト自動化のためのツール「TestAssistant Pro」をご紹介いただきました。開発したものの品質をどう担保するか、そしてそれを維持するのか?誰もが直面する課題についての一つの解であると感じました。
セッション資料:
SNS
当日の様子についてこちらのツイートまとめをご覧ください。
まとめ
今回のセミナーにご協力いただきましたリコージャパン株式会社中村様、株式会社Codeer石川様、そして当日ご来場いただきました皆様、誠にありがとうございました。
.NET Core 3の正式板は2019年下半期(7-12月)のリリースとなるようなのでそれまでに弊社として対応を完了させたいと考えています。今後も情報提供を行う予定です。