Ken Azuma

インフラジスティックス・ジャパンにて、UXサービスを担当しています。
英語を使ってコミュニケーションするコミュニティ「en-jp」を発足します!

20160919日の夜、こんな書き込みを Twitter Facebook に書き込みました。

 

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英語縛りのゆるいコミュニティを立ち上げようと計画しています。LT的にいつもの自分のネタを英語で発表して、懇親会も英語縛りにする会です。流暢に話す必要は全くなくて、とにかく喋ることに慣れることが目的です。月1渋谷、夜開催を考えてますがどうでしょう?

 

私は日本の技術者のレベルが海外に通用しないとは思っていません。しかし、圧倒的にコミュニケーション、特に発信をしていないことは事実です。であれば、そのきっかけになるような会を始めようと思いました。

 

私自身、なんとか英語を喋れるようになった理由は、ある時「喋ると決めたから」の一点に尽きます。間違っていようが、とにかく伝える意思でしゃべることが大事です。同じ戦略の海外の方が日本語を喋ったとして、熱意で通じるな、と思った実感はありませんか?

 

IGJPのセミナールームで集まれるだけ集まって、がやがや英語を喋ってみる、というだけの会です。懇親会があるとすればそこでも英語縛りです。自分が日頃扱っていることならば話しやすいと思いませんか?LTがメインになりますかね。それ自体も皆さんのアイデアがあれば聞いてみたいです。

 

どんな会だったら参加できそうですか?こんなことやってほしい/やってみたい/また思い付きでアホなこと言い始めたな、などなどご意見お待ちしております。

 

会の名前だけ決めてまして、「en-jp」です。いつかロケール設定に、「en-jp」と指定できたらいいなと思いまして。

 

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Twitter / Facebook ともに予想以上の反響があり、是非この会を始めたいと思います。ちょうど1010日週であれば弊社の本社メンバーも来ているので、参加してもらって進めようと思います。

 

このコミュニティ以外にも、英語を話す機会を提供してくれている場所はたくさんあると思います。こちらでは、日本のIT業界にいるたくさんの優秀な皆さんが、もっと国際発信できるようになるきっかけづくりを目的としています。とはいえ、喋るネタが必ず技術ネタじゃないといけないというわけではなくて、身近にあるもの何でもいいので、この話題ならいくらでも喋れる!という話をぜひ英語で話していきましょう。

 

形式としては、1~5分のLTを基本として、つながりも含めてゆるく進めたいと思います。平日19:30開始で2時間といったところかなと思っています。回によってはゲストを招いてまとまった内容を聞けるようにもしたいと思います。

 

ルールはほとんどありませんが、とにかく英語縛りであることです。せっかくの場ですから英語で話をして、英語でお互いを高めあう会にしたいですね。

 

また、相手の英語や、発表内容を「評論」することを禁止します。前向きに発表者のためになる「意見を伝える」のであれば大歓迎です。この場合も、英語でお願いします。

 

ひとまず、第一回はインフラジスティックス・ジャパンのセミナールームを利用して、10月13日の木曜日、19:30より2時間程度でやりたいとおもいます。ちょうどその時弊社の本社メンバーが来ていますので、ネイティブもいるし、喋ったり意見を聞いたり(私の英語通じてますか?など)ということでやりましょう。

 

現在詳細を準備中です。ぜひ下記コミュニティにご参加いただき、詳細情報をお待ちください。うれしいことに大変著名なスピーカーの皆様、業界を超えた皆様からの賛同の声をいただいており、感激しております。ぜひ皆さんと活発なコミュニケーションができることを楽しみにしております!

 

 https://www.meetup.com/ja-JP/meetup-group-en-jp/

Build 2014 Day1-3 Office / Future / new CEO

次に CVP, Office の Kirk Koenigbauer より開発中のストアアプリ版 Office についてデモがありました。先に発表されている ipad 版とほぼ同じような画面であり、やはり同様に保存という概念のない自動保存タイプのもののようです。全面的に DirectX で開発されているようで、PowerPoint のデモを見る限りエフェクトなども非常にスムーズに動いていました。しっかりタッチ対応もされているようで、スタートスクリーンと並んで今後のストアアプリを作る上でのベンチマークになると思われ、早く試してみたいところです。デモのスクリーンを見る限りにおいては Word / Excel / PowerPoint が用意されるようです。これに既にリリースされている OneNote が入った状態がストアプリ版の形になるのではないかと思います。(価格やライセンスについてはアナウンスはありませんでした)

KirkKoenigbauer
[Kai Koenigbauer]

81StoreAppsPowerpoint
[Store App PowerPoint]

先に書いたように、 Office は Windows アプリケーション全体に対するベンチマークとなります。そのため、GUI への移行が本格的になった時に PowerPoint がファミリーに加わったように、 NUI 世代の代表的な存在が Office に入ってくることを望んでいます。今回はそのようなものを見ることはできませんでしたが、ここは是非マイクロソフトに頑張ってほしいところです。エクセルのような、と今いわれるような要望をお客様から聞くことができるようなアプリの追加を期待しております。

このほか、ストアプリの HTML5 での開発の際の JavaScript ライブライである WinJS がオープンソースになることが発表されました。なにやらオープンソースにすることで自分たちで管理することをやめてしまうこれまでのいくつかのテクノロジーを思い出してしまいました。今回はセッション全体を通じて .NET / C# / XAML に関してこれまでよりも強いメッセージを感じました。とはいえ、XBOX では HTML5 のみが使える開発言語のようですので、完全に一本化しようということではなく、適材適所で使っていこうという感じかもしれません。(そうなるとカバー範囲が増えるのでそれぞれの生産性が問題になりますね?是非弊社の UI コンポーネントでお手伝いさせください!)

また、Brokered Windows Runtime Components というものが発表され、サイドローディングの場合にはストアアプリとデスクトップアプリが通信を行うことができるようになりました。既存のライブラリを .NET ベースで持っているような場合に、全く同じものをストアアプリの新しいインターフェイスから呼び出す形に書き換えるデモが行われています。 MSKK のエバンジェリストの方によればサイドローディングのライセンスが変わって使いやすくなるという話もありましたので、Windows 8 におけるマイグレーションシナリオの一つになるのではないかと思います。ただし、この対応に RT が含まれるわけではありませんので、デスクトップアプリをしっかりタッチ対応させたアプリケーションの対応も重要になるかと思います。

最後に、今後いつ対応することになるかはわからないがという前置き付きで、いくつかのロードマップが示されました。

将来的には XBOX にも Universal Windows Apps が動くようになるようです。(XBOX OneではHTML5 or C++ での開発になるようです。)デモでは Visual Studio で Windows / Windows Phone / XBOX One の3つにデプロイする様子を見ることができました。アプリケーションは KINECT も想定通りに利用できていました。

また KINECT V2 for Windows についても発表されています。近日中に SDK も入手できるようになるようです。

DirectX12 が Windows / Windows Phone にも同様に利用できるようになることも伝えられました。PC 上で XBOX One の Forza 5 と同じシーンが再生され、将来的に PC で実現できるレベルが示されました。(結局 Office といい DirectX で作られているわけで、グラフィックリッチなハイパフォーマンスアプリケーションを求めるのであれば避けて通れない領域なのではないかと思います)

IntelGalileo
[Intel Galileo]

次に Internet Of The Things について触れられ、ワンチップで X86 アーキテクチャを実現している Intel Galileo が紹介されました。これも Windows が動くことになりますので、様々なデバイスで Windows が稼働し、慣れた方法でプログラムがかけることになります。デモでは Windows が稼働するピアノに Telnet でログインし、プログラムを動かして演奏するシーンを見ることができました。(デバッガーをピアノにアタッチして。。。)

将来の Windows のデスクトップがスタートメニューの中にタイルがある、ストアアプリがマルチウィンドウの中で動いているところもデモされました。これは Windows 8.1 Update に含まれるわけではありませんし、開発中の将来バージョン(画面では 8.1 Enterprise Build 9600 と見えていました。そう遠くない将来なのかもしれません)であるとのことでしたが、ストアアプリがマルチウインドウで動く方向性が示されたことによって、ストアアプリを作る意味も変わってくるかもしれません。特に企業での利用においてはより受け入れやすくなるのではないかと思いますが、これまでフルスクリーンを前提に設計されているものなので、リサイズ時のふるまいをどうするべきなのかなど、 UI 観点での問題点はかなりたくさんあると思われます。このあたりについては早めに情報が出てくることを期待したいです。

81Desktop
[Windows Future Desktop]

この後今後の Windows の価格について触れられ、デバイス利用の IoT の場合、あるいはタブレットやスマートフォンなどの9インチより小さいスクリーンを持つもの(現在主流になりつつある8インチタブレット、すべての Windows Phone が対象になります)は Windows を無償にします、というアナウンスがありました。なかなか衝撃的な発表です。既に Windows Phone についてはほぼゼロに近い状態であったと推測できます(Lumia 521 は契約縛りなしで69USDで購入できました)し、8インチタブレットも同様の契約があるのではないかと思いますが、精神的なバリアが下がり新しいメーカーが参入することも考えられますし、もちろんより低価格な Windows デバイスが出てくることも十分考えられます。OS のライセンスフィーで成り立っていた会社の発表としては大変大きな発表ではないかと思います。

IoTisZero
[Windows for IoT = $0]

lessthan9isZero
[9インチより小さいスクリーンを持つ Phone や Tablet での Windows も $0]

最後に Nokia が十分に時間をとって新しい Phone の発表などを行った後、新 CEO の Satya Nadella 氏が登壇しました。マイクロソフトにとって開発者がどれだけ大事な存在であるかを、自分たちは Office や Windows の会社である前に開発ツールの会社として始まったのだ、と表現し、非常に深い関係のものであると伝えました。その後事前にビデオで用意された来場者からの質問に答えるセッションがありましたが、一つ一つの質問に丁寧に答える誠実な姿勢が伝わってきて、もちろん Steve Balmer のような迫力で迫ってくるタイプではないのですが、真面目な着実さというか、そういうものを感じました。彼自身開発者の出身でもあり、今後の Developer Relation が期待できるのではないかと思います。

SatyaNadella
[Sathya Nadella]

どのカットのテクノロジーであれ、強い競合がひしめいている状態にあって、マイクロソフトの強みがどこかと考えた場合には、やはり大きな開発者コミュニティを抱えているというところが断然大きいと思います。それが反映された Visual Studio というツールがあり、様々なアプリケーションをそこから開発することができる、そのようなエコシステムを重視する姿勢は、Build が始まったころには少し揺らいで見えましたが、また基本に戻って重要視してくれているのではないかと一人の参加者として感じました。

81Partners
[Partners]

私たちインフラジスティックスもこのエコシステムの一部です。今後クライアントサイドにおいては、クロスプラットフォームが大変重要になり、 Xamarin / PhoneGap / Unity など直接はマイクロソフトがリリースしているものではないテクノロジーとの連携も重要になってくると思われます。弊社もこの流れの中にあって、お客様の状況に最適な開発ツールやサービスを提供できるように頑張っていきたいと思います。

[基調講演ビデオへのリンク]

 

Build 2014 Day1-2 Windows 8.1 Update

初日のもう一つの主役である Windows 8.1 Update です。こちらについても、もちろんキーノートの中では多くの時間が割かれていました。Joe は Windows の担当でもあるので、引き続き紹介を続けています。

まずはIEに搭載される Enterprise Mode の紹介です。これを利用すると、IE8互換のレンダリングに対応できるようで、既存のウェブアプリケーションを抱えているようなケースで役立ちそうです。手動で切り替える以外にも、プロファイルの適用によってリストアップされたサイドに自動的に適用されるパターンも想定しているとのことでした。

81EnterpriseMode
[Enterprise Mode]

次にストアアプリにおけるタスクバーとタイトルバーの対応です。デスクトップをメインに扱うことを想定したものだと思われますが、デスクトップのタスクバーにデスクトップアプリだけでなくストアアプリも同じように並ぶようになりました。また、ストアアプリ自体にもマウスを画面上端にもっていったときにタイトルバーが出るようになり、右上には閉じるボタンや最小化ボタンもある状態になりました。ウィンドウ内での動作をしているわけではなく、ストアアプリがフルスクリーンであることには変わりがありませんが、既存ユーザーに対する「経験の踏襲」を考えると、マウス+キーボードでのオペレーションにおいてより使いやすくなったといえると思います。(逆に言えば、現時点ではマウス+キーボードにおけるデスクトップの生産性は、やはり Windows における訴求ポイントであり、それを超えるような新たな提案は現時点では存在しないということになるのでしょう。このあたりは、本来であれば数年先のビジョンを見てみたいところでした。)

81StartScreen
[Power Option on Start Screen]

81MultiSelection
[Drag multiple tiles]

81ContextMenu
[context menu on tile]

81InstalledApps
[highlight for installed apps]

スタートスクリーンも細かい変更があります。画面上への電源ボタン/検索ボタンの追加、タイルに対するコンテクストメニューの表示(これを許したことによって、ストアアプリで同様の対応が可能になるかもしれません)複数選択によるまとめたタイルの移動、新規インストールアプリのハイライト表示などがデモされました。スタートスクリーンはストアアプリのベンチマーク的な存在でもあり、これまでもストアアプリでの UX を考えるうえで重要な存在でした。ユーザーはスタートスクリーンでできることはストアアプリでも同様に行えると考えるはずです。今後審査などを考えるにあたってもっと新しいスタートスクリーンを確認する必要があると思っています。

81TaskBar
[Taskbar and Titlebar for StoreApps]

次に CVP, Operating Systems Group の David Treadwell より Windows プラットフォームにおける開発の統合を行っていくという説明があり、Universal Windows Apps が発表されました。これは Windows Phone / Windows / XBOX といった Windows プラットフォームに対して共通のアプリケーション開発環境を提供し、一度に開発を可能にするというものです。もちろん、画面などを最適化する必要はありますが、そこでもユニバーサルことロールと呼ばれているハブコントロールなどではコントロールレベルでそれぞれの環境に最適化された表示を自動的に行ってくれるようです。(このあたり、私たちサードパーティベンダーも頑張れるところかもしれません)

DavidTreadwell
[David Treadwell]

81EndToEndDevelopment
[streamlined end to end development]

81UniversalWindowsApps
[Universal Windows apps]

当面のターゲットは Windows と Windows Phone になるようで、Director, ecosystem & Platform の Kevin Gallo から Visual Studio によって Universal Apps を開発するデモが行われました。ほとんどのコードをきゅ通過している状態でも、ストアアプリから Phone アプリがスムーズに出来上がっており、さらに個別に UI を最適化することもできるとのことでした。「Made for Windows Phones and Windows PCs」というバッジも作られており、今後ストアでこのバッジがついているアプリを購入した場合にはどちらでも利用できるということになるようです。

KevinGallo
[Kevin Gallo]

81HubControlUniversalControl
[Universal Windows Apps development by Visual Studio]

81LangModel
[application architecture of Universal Windows apps]

81StoreForUniversalApps
[Made for Windows Phones and Windows PCs]

すでに Windows Phone においてはかなりコードの共有化が図れるようになっていましたが、これをさらに一歩進めて Universal Apps というステップが示され、マイクロソフトの提供するプラットフォームにおいては統合された一つの開発方法で一つのアプリがすべてのプラットフォームで動作するようになるという大きなロードマップが示されたのだと思いました。今後 XBOX などに関しても詳細が出てくるのだと思われます。(続く)

Build 2014 : Day 1-1 Windows Phone

ついに今年の Build が始まります。まずは初日の Keynote です。いつものごとく DJ を呼んでかなりのボリュームで音楽を流し続けており、朝から盛り上がります!(個人的にはラスベガスでの MIX を思い出します。)

TerryMyerson

Operating Systems Group の EVP である Terry Myerson が仕切り役となって始まりました。Keynote は day 1 と day 2 の2回がありますが、初日は Devices & Services / Mobile first, Cloud first といったビジョンステートメントでいうところの Devices / Mobile に特化した話となりました。私としてもクライアントサイドの話は主戦場でありますので、大変期待している内容でした。マイクロソフトの全てのプラットフォームに携わる者が目指していることは、関わっていただいている全てのパートナーや開発者をモチベートし、「your creativity come to life : 皆さんの創造性を輝かせること」である、と話していたことが冒頭では印象的でした。

JoeBelfiore

まずは Mobile first の先鋒として Windows Phone について Joe Belfiore : CVP, Operating Systems Group が詳細に伝えています。 彼は以前から Windows Phone の顔役といった感じですが、出世して担当範囲が広くなった今でもやはり彼が話さないと始まらないといった感じです。特に新興国などでのビジネス的な成功や新たなパートナーシップについて伝えたのち、メジャーアップデートになる Windows Phone 8.1 について話しています。Windows Phone について「最もパーソナライズドされたスマートフォン」と位置づけ、 More personal, tailored (もっとパーソナルに、仕立てられた) 体験を意識して開発されたとのことでした。

ActionCenter
[command center]

InteractiveLockScreen
[Interactive Lock Screen]

BackgroundTiles
[image live tiles]

これまで以上にインタラクティブなロックスクリーンテーマの導入や、タイルカスタマイズなどが発表され、その後「She comes to life」という発言が出た時に会場の多くの人たちが次に起こることに気づいてざわめいていました。噂されていた Cortana の発表です。 iOS における Siri の位置づけに当たるものと思って間違いありませんが、大きく違うのは Bing と連携することによってユーザーの指向性を把握しており、よりアクティブなパーソナルアシスタントとして振る舞う事だと話していました。(もともとは Halo というゲームに出てくる AI の名前です)開発にあたっては、実際にパーソナルアシスタントとして働いている人々にインタビューを行い、良い仕事をするために何が必要なのかをリサーチした結果を反映しているとのことでした。(その過程も気になるところです)Beta 版とのことでしたが、かなり認識率も高く(確認できたのは英語だけではありますが)きわめてスムーズな言葉で回答を返していました。Windows Phone に内蔵された通知機能と連携して、場所やスケジュール、人と関わるタイミングなどでタイムリーな通知を行うというデモが行われています。Bing と連携をし、かつパーソナルな情報を Phone で保持することによってアクティブにサポートしてくれるパーソナルアシスタントとして開発されているようでした。

Cortana
[Cortana]

notebook
[Cortana’s notebook]

interests
[interests]

QuietHours
[quiet hours]

Places
[places]

FOundFlightInEmail
[メールの中から旅程を見つけてトラックするかどうかを聞いている]

ScheduleConflict
[スケジュールコンフリクトを知らせている]

findRestraunt
[Bing の検索結果と合わせて四つ星レストランを検索]

Siri との大きな違いは、 Cortana が サードパーティアプリケーションでも利用できるという事でしょう。具体的な API がどうなっているのかなどについては Keynote では触れられていませんでしたが、 Hulu でウォッチリストに動画を追加したり、Facebook で特定の個人のタイムラインを閲覧することなどをボイスコマンドで行っていました。個人的にも音声インターフェイスによるアプリケーション操作については大変興味のあるところなので、これを開発に組み込めるとしたら大変素晴らしいことだと思います。(できれば Windows 8 でも使えるようになってほしいですね。)「競合」とは違って、ローエンド端末を含む全ての 8.1 アップデート対応端末で利用できるとのことでした。 Cortana は当初はUSからBetaが始まり、その後UK、中国と開始されていくとのことでした。(日本でどうなるかは不明です)

3rdPartyApps
[3rd party apps]

また、ビジネス利用についても力を入れていることが発表され、 Enterprise VPN への対応、 S/MIME への対応によるセキュアなメール利用、 MDM によるローカルコピーの禁止制御などがデモされていました。その他にも細かい機能への対応として、適切な Wifi を案内する Wifi sense や Word flow keyboard 、設定情報のデスクトップとの同期や IE11 などが発表されていました。実際の市場への投入は今後数か月をかけて行われるとのことです。

nickHedderman
[Nick Hedderman]

WordFlowKeyboard
[wordflow keyboard]

この後発表されているユニバーサルアプリも考えると、Cortana など個人的にも利用したくなる機能もあり、日本での投入が期待されるところです。(続く)

Build 2014 : Day 0

本日より一週間 Microsoft Build 2014 に参加しています。4月1日出発で1日到着、到着当日はレジストレーションなどを行ってから弊社ブースの確認などを行って行きます。(このエントリーはサンフランシスコに向かう機内で書いたものです。)

今回は CEO が Satya Nadella 氏になってからの始めての Build ということで、諸々のメッセージに違いが出てくるのかどうかが気になるところです。もともと、Windows 8のリリースに伴ってこれまでの PDC や MIX を統合して始まった Build ですが、当時の Steven Sinofsky の意向が強く現れていたことは間違いありません。これで四年目の参加となりますが、個人的には昨年あたりはマイクロソフト内部がバタバタしているのが現れていたような気がして、いつもの世界各地から集まる仲間との同窓会としては良いものの、イベントとしては多少勢いを失っていたように感じていました。

自らもハードコアデベロッパー出身であると公言するSatyaが、どのようにこの最大のデベロッパーカンファレンスに合わせた用意をしてくるのかとても興味があります。

気になるアイテムとしては :

  • 次期 VisualStudio 及び VisualStudio Online
  • XBOX Oneでのアプリ開発
  • Kinect 関連
  • Windows RT と Windows Phone に関する動向

などが挙げられます。ただし、これらを超えて気になることがあるとすれば、Windows 8.1 アップデートにおいて既存ユーザーに譲歩したように思える OS 全体の体験デザインがどのような方向性になって行くのかということです。常々私は、Windows 8 は NUI 時代への入り口における、Windows 3.0 のような存在であると考えています。新しい標準が浸透する前に既存環境も含めたサポートが必要になる世代であり、どちらの世代にとっても橋渡しゆえの中途半端な状態ではあるものの、次世代に至る道のりにおいて大変重要と考えています。個人的にはWindows 8.1 アップデートが Windows 3.1 のような大きなマイルストーンで在るとは思えていないので、今後につながる重要な発表があり、今後 NUI 世代においての Windows 95 にあたる存在を少なくとも期待できる何かがあることを期待して止みません。

アプリとして、手書きをしっかりサポートできるものがiOSに比べて圧倒的に少ないことも気になります。ちなみに、今回はiPad Air と Surface 2 しか持ってきませんでした。どこまで作業可能であるかの実験でもあります。

などなど書いておりますが、もちろんシンプルにイベントを楽しむつもりでいますし、毎年ここでしか会えない人たちとの再会も楽しみです。 今年はBLOGが途中で力尽きないように頑張りたいと思います!それでは四日間、よろしくお願いいたします!

Build 2013 day 1-1 – Windows 8.1 -

本日より、現在参加中の Build 2013 のレポートをお届けしていきます。既にLiveStreamingやレコーディングを通じて情報を得ている方も多いかと思いますが、私が現地で感じたところなどを交えて書いてまいります。レコーディングを見るときに少し参考になればと思いながら書いております。また、一部の画像は既に英語でアップされている同僚のBLOGを借りております。Thanks David!

早朝に到着した私たちに影響はなかったものの、到着時点では濃霧が出て、以後のほとんどの飛行機が遅れるような天気になっておりました。少し心配はしていたものの、初日は晴天に恵まれ参加者が続々と到着、かなり早い段階でキーノート待ちの長蛇の列ができておりました。聞き間違えでなければ6,000人が直接参加しているようですので、当たり前なのかもしれませんね。


<キーノート待ちの長蛇の列。>

キーノート最初のスピーカーがいったい誰になるのだろうか?と参加者の間で話をしていたのですが、会場を一気に盛り上げるのはやはりスティーブ・バルマーでした。恐らく前半でかなり使っていた単語があるとすれば「Rapid」と「Touch」でしょう。「Rapid」については、前回の10月末の Build 2012 から時間をおかずに Build 2013 を開催していることにも触れ、リリース/開発サイクルの歩調が大変に早まっていることを強調しました。前回がWindows 8 リリース直後でしたので、今回 Windows 8.1 までの間がまだ Preview とはいえ非常に速かったと感じます。メジャーOSのサイクルがリリースベースで1年というスパンになっていることは、業界全体ですべての側面で速度が速くなっていることの表れだと思います。


<まくしたてるスティーブ。>

もちろん、まず伝える重要なことは Windows 8.1 Preview のダウンロードが始まることです。参加者にはその後USBメモリでも渡されましたが、Windows RTでは2GB程度のサイズでした。かなり細かい改良が施されており、ユーザーインターフェイスの変化に関しては集中して別途お届けしたいと思っております。

Google ChromeScreenSnapz010
<Windows 8.1 Preview>

その後きわめてあっさりと参加者全員に Acer Iconia W3-810 が配布されることが伝えられ、あまりに急な感じに会場が大きくどよめく間もないまま Windows デバイスがどのように変わってきているかについて話がありました。

このパートでは「Touch」を連呼し、小型タブレットの登場、ノートPCやオールインワンモデルでのタッチサポート(タッチがサポートがあっても低価格であることを強調していました。$499のノートPCといったモデルもあるようです。)、ドッキングタイプのノートPCでありタブレットでもある 2-in-1 デバイスなどについて紹介していきました。

次に、 Flipboard や Facebook 、 NFL Fantasy Football などの人気のあるサービスでのアプリ対応が発表されました。初日の段階では実際のアプリの画面などは出てきていませんが、特に Facebook アプリは気になるところですね。デモマシンには既にインストールされていたようなので、2日目以後出てくるのではないでしょうか。

続いて、デスクトップと Modern UI との融合といったトピックの展開がありました。終了後に様々な他の参加者とともに話しをしていたのですが、スタートボタンの復活やデスクトップへのブートも含め、これまで新しい UI 環境に対する後方互換環境のように語られることもあった「デスクトップの扱いが明らかに浮上している」ことと、「Metro 改名騒動は完全に Modern UI で決着した」という2点です。デスクトップアプリケーションが今後どのような扱いになっていくのかについてははっきりとしたメッセージがまだありませんでしたが、少なくとも現時点では、すべてのシナリオを Modern UI で解決できるわけでないということをマイクロソフト自身が再度確認したのではないかと思います。

8.1よりサーチに統合された Bing による検索についても紹介されました。OSワイド/アプリワイドに検索をできるだけではなく、 Bing からの検索結果も統合して見せることができるようになります。XBOX Music との連携もするようですので、日本でのサービス展開が気になるところです。

その後、Windows 部門トップの Julie Larson-Green が登壇し、800以上のアップデートを含むといわれる 8.1 の紹介に移ります。ポートレート対応に関する強化、オンスクリーンキーボードでのジェスチャーサポート( UI の回で詳しくカバーします)、Outlook for RT、フリックアップすることで現れる「すべてのアプリ」、キッチンで使うようなアプリ(手を使えない状況を想定)で利用するカメラを使ったジェスチャー認識、マルチウィンドウ/マルチスクリーン(ここも UI の回でカバーします)などがハイペースで初回されていきました。


<Outlook for RT ではMLをまとめて管理する機能などが紹介された


<上方向にフリックするとあらわれる「すべてのアプリ」メニュー>


<レシピアプリだが、画面右上に ”Hands-free” の文字が見え、実際にカメラだけでジェスチャーで動いていた。>

Julie が再度登場した際には、Acer Iconia に加えて Surface Pro も参加者に提供されることが発表されましたが、これもなぜかとてもさらっとした発表の仕方です。既に配布も始まっていますので他に何かがあるという訳ではありませんが、もっと盛り上げてもよかったんじゃないか、とか思いました。昨年の Surface RT の方が盛り上がっていたかもしれませんね。ただ、W3 も Surface Pro も RT ではないフルサイズの Windows 8.1 マシンです。実際の開発含め、デスクトップアプリの復権のタイミングというところなのでしょうか。

デモマシンにインストールされていた多くのアプリがまだ紹介されておらず、パートナーからの発表もまだ全くないことから、明日なにかデモがあるのかが気になるところです。なぜか複数のマシンに Adobe の Edge ツール群がインストールされていたのがとても気になりますが。。。あとは Windows Phone に関してほとんど触れられていないこと、 XBOX-One に関してなにかこのタイミングで発表はあるのかなどが気になるところです。明日以後のキーノートやセッションに期待したいところです。

このあと、Antoine Leblond につながれ、Visual Studio 2013 の詳細などよりデベロッパー向けの情報、それに続いて公開 API を含む Bing コントロールに関する情報などが Bing を担当する CVP の Gurdeep Singh Pall から紹介されたほか、新たなゲーム開発環境のプロジェクト?であるProject Sparkなどが紹介されました。

初日からものすごい情報量で、一回のポストではとてもカバーしきれません。その後受講しているセッションからの情報も含め:

1-2 Visual Studio 2013編
1-3 Bing 編
1-4 UI 編
x-1 その他もろもろ編(Project Spark含む)

2日目は Azure が中心になるはずなので、2日目のカバーを少しやってから、1日目を重点的に上記のように書いていこうと思います。(宣言しておけば書いていけるはず!)

インタラクティブプロトタイプ作成ツール Indigo Studio のご紹介 (1)

この12月に、インフラジスティックスより新しい製品をリリースさせていただきました。名前を “Indigo Studio” といいまして、これまでの弊社の製品とは違い、最終的なアプリケーションを作るためのツールではなく、設計プロセスの中で使っていただく、インタラクティブなプロトタイプを作成するためのツールとなります。

インフラジスティックスとして、NetAdvantage などを通じて最終成果物としてのアプリケーションを開発するためのツールを出していくことはこれからも変わりはないのですが、私を含めた弊社のサービス部門がお客様とお話をする中で「ユーザーに対していかに早期の段階でアプリケーションの流れや動きに対して共通認識を持つか」ということが大きな課題になっていると感じています。もちろん、Visual Studioを立ち上げていただいて弊社のコントロールをどんどん貼り付けていただくという方法もよいと思うのですが、とにかく推敲を素早く行えるツールが必要で、そのために私のワークショップでは手書きを推奨し、その後パワーポイントなどを併用していただくことをお伝えしていました。「気に入らなければどんどん捨てて新しいものを作っていき、捨てることが惜しくないような進め方」が必要であるとお話していたのです。

Indigo Studio は、まさに初期の設計段階でのコミュニケーションツールとして使っていただくことを想定して開発されており、是非皆様にどんどん利用していただきたく現在「無償で提供」をさせていただいております。(残念ながら英語版でのご提供となりますが、サポートについては無償版ながら日本でも提供を検討しております!)

大まかな流れとしては、

  1. 画面のラフなイメージをスケッチする
  2. スケッチを取り込んで、利用シーンと合わせてストーリーボードを作成する
  3. スケッチやストーリーボードに沿ってスクリーン単位でワイヤフレームを作成する
  4. スクリーンにシーンを追加してインタラクションを設計する
  5. アニメーションを追加する
  6. コメント機能や共有機能を利用してコミュニケーションを促進する
  7. ユーザーとの合意形成ができ、「動く仕様書」が完成!

というような流れになっております。この流れの後(あるいはある段階から並行して)アプリケーションの実際の開発へと動いていくわけですが、弊社としてもその間のギャップをなくしていくためにIndigo Studioをどんどんバージョンアップしていきますのでご期待ください。ひとまず、英語ではありますが雰囲気をつかむためにも下記ビデオを是非眺めてみてください。

これからしばらく、Indigo Studioに関する連載を続けていきますので、是非お付き合いください!

Posted: 10 Dec 2012, 09:47 | 2 Comments
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//build/ 2012 – Surface, PC = “Productive Computing” meets tablet

今回のBUILDで参加者全員に配布されたSurfaceですが、個人的に製品版となった Windows RT デバイスに触ったのはこれが初めてであり、私としてはいくつか確認したいことがありました。日本市場においてどのようなインパクトを持つことになるか、考えながらレビューを行っていきたいと思います。



[Bellevue Square の Microsoft Store にて]

Microsoft Store においても、ほかのデバイスも販売しているものの明らかに一押し状態になっている Surface です。店に来ている人もほとんどの人が Surface コーナーに足を運んでいました。店員さんに聞いたところ、毎日入荷してだいたい夕方までにその日の在庫がなくなり、品薄の状態が続いているとのことでした。


[展示中の Surface]

32 GB (Tablet only) が $499.00、32 GB with Black Touch Cover が $599.00、 64 GB with Black Touch Cover が $699.00 で販売されています。一時$199の噂もありましたが、実機を触ってみるととてもじゃないが$199で出せない感じのハードウェア的な質感がありました。Tablet Only が仮に50,000円を切る値段設定であれば、やはり日本でも競争力はあるように感じます。ある種のネットブック的なカテゴリーのものが成り立たなくなると思いますが、それはすでに Windows RT が出ることが決まった時から既定路線だと思います。

特徴的なアクセサリーとして、ハードウェアキータイプの Type Cover ($129)、薄いカバーの上にキーボードがプリントされているタイプの Touch Cover ($119)というものがあります。どちらもマウスポインタを利用可能なタッチパッドがついており、しっかりとタイプすることができます。接合面は強力なマグネットとなっていて、そう簡単には外れません。このアクセサリーが Surface を PC として成り立たせるために一役買っています。是非どちらかは入手しておきたいところです。(もちろん手持ちのこれまでのデバイスが使えるのでBluetoothキーボードとマウスでも構いませんが、専用にしつらえた良さがあります。なにより、携帯しやすいです。)


[箱を開けたところ。本体とACアダプターだけで余分なものは何も入っていない。]

購入してネットに接続し、Microsoft ID を入力すればすぐに使い始められるようになっています。残念ながら写真を取ることがd来ませんでしたが、ほぼ設定が終わった段階で「Welcome to PC」と出ていたのが印象的です。Steve Ballmer も PC meets Tablet form factor と繰り返し語っていましたが、あくまで PC であるとの考えなのです。


[ACアダプター。Windows RTのロゴが張り付けてあります。これを本体に張らないところにこれまでとの違いを感じます。]


[初期設定中の画面。丁寧にスワイプなどタッチ操作についてのムービーも流れました。]

Outlook が無いのが個人的に残念ではありますが、Office2013 がそのまま使えることは非常に快適で、Visual Studio やグラフィックツールを立ち上げるという状況でなければ、ほぼ完全にこの環境で事足りると感じました。特にOneNoteの使い勝手(OneNoteはストアアプリも並行して存在しますが)と、Skypeのスナップでの併用はこういう利用シーンがデザインされていたのだろうな、と思われる快適さです。動作は極めて軽快で、どのような作業でも早いと感じます。


一息入れてもう少し全体を見渡してみます。特にコンシューマー市場におけるコンピューティングにおいて、ブラウズやメール、Facebookなどのソーシャルネットワークの利用などの「情報の消費」の比率はとても大きいものです。それに伴って、メールなどもそうかもしれませんが、カジュアルなインプットを伴う作業もあります。ただし、このレベルのことであればiPadに代表されるタブレットで事が足りるはずです。この前提を踏まえ、家計簿を作る、PTAでの配布資料を用意する、学校に提出するレポートを書くといった作業についてはどうでしょうか。オフィスワークならいかがでしょうか。これらについては一定以上の「生産性」が求められます。これらは、iPadなどでも多く存在するノートをとるようなソフトとは明らかに違います。絵を描くものでもありません。創造的な作業ではありますが、生産性については問題があると思います。なぜなら、入力の仕方が圧倒的に異なるからです。

ペンで紙にものを書いていくことは生産性が高い行為であるか、ということを考えてみると、もちろん一定の生産性を得ることはできると思うのですが、再利用性や再現性の面で見劣りし、キーボードが長い間使われていたことは否定できません。私は ”PC” とは、”Productive Computing” となるのではないかと考えています。Computer が Personal であることは当たり前になったわけですが、特に GUI 定着以後オフィスを中心とした生産性を向上させるものとして PC が普及したことは間違いありません。そのための代表的なソフトウェアが MS Office になるわけですが、Windows RT にはそれが最初から装備されていることは非常に大きな、他社の埋めがたいアドバンテージだと思います。そして、それらはタッチベースの操作でも利用することは可能ですが、マウス+キーボードでの操作に皆が慣れ親しんでいるし、今のところもっとも生産性が高い方法でしょう。(将来的に頭にケーブルをプラグインできたりするようになって、即座に入力できたりするようになれば別だと思いますが)この環境のために、キーボードとマウスになるTouch Coverが用意されていて、デスクトップという一見分割された環境があるのだと思います。SteveBは Keyboard & Touch, work & play と参加者に力強く伝えていましたが、そこに「Productive and Creative」というのも個人的に一つ加えたいと思います。GUIを中心とした生産性の確保とNUIへのステップとしてのタッチインターフェイスによる創造性への拡大、Windows 8 のコンセプトのようなものが、RTという制限のあるデバイスを通じてこそはっきりと感じられました。テクノロジーの分岐点において、大変重要な位置を占めるOSになると思います。Surface は PC なんです。


また、非常にシンプルにWindows RT がかなりいける!と思った点を上げさせていただきますと、US仕様にもかかわらず設定で完全に日本語が利用可能な環境にできること(これは日本向けの出荷ではそもそも問題でもありませんが)、それ以上に純正のオフィスで純正のフォントが利用できること、になります。よくiPadについての質問で聞かれるのは、御社のアプリケーションを導入するとレイアウト崩れや文字化けが直りますか?という質問です。よく聞いてみると、iPadでワードやエクセルなどの表示が崩れているとのことなのですが、ほとんどの場合問題はフォントにあります。日本では圧倒的にMSPゴシックで文章が作られているケースが多く、それに合わせてドキュメントのレイアウトを調整している場合、代替フォントがあったとしても折り返しが発生したりして崩れる場合が多いのです。iPadそのもののレイアウト再現能力が低いわけでもなく、現に Windows での Verdana が iOS 上でも Verdana でしかないアメリカなどでは起きない問題です。電源を入れてすぐにMS系日本語フォントの搭載について確認したところ、MSPゴシック/明朝、MSゴシック/明朝、メイリオと全部そろっていました。これらのフォントを利用してビューワーだけでなくしっかり編集ができるフルセットのオフィスであることがとても大きな要素だと思います。

加えて、Flash もしっかりと動いていました。これで、Mixiでソーシャルゲームをやる奥様にも安心して渡せます。(iPadではダメな理由の大きなところは、Flashが見れないことでもあったのです)もちろん、ブラウザベースでアプリケーションを深く開発していたようなケースでも問題なく動くことでしょう。

もう一つ、Day1のキーノートの中で語られていたのがゲーム市場からの対応です。ゲームの市場においてはプラットフォームなどの多様性もあり、なんらかのフレームワークを利用して生産性を上げることが当たり前になっています。逆いえば、マルチプラットフォームにしなければ、開発費に対して収益のバランスが難しいから、とも言えるのですが。(このあたり、今度のセミナーで話をしようと思っています)ゲームはキーノートでも触れられていたように大きな売り上げを上げるアプリの大半を占めています。

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[トップ売り上げアプリの75%はゲーム!]

逆に、ゲームがしっかり売れるプラットフォームであるかどうかは普及の下支えにも確実になるといえます。そんな中で、非常に有力なフレームワークであるUNITYの対応が発表されたことは大変うれしいことだと思います。現在のモバイルゲームタイトルの多くがUNITYベースで動いており、多くのアプリの「移植」が検討されるはずです。これらも特にコンシューマー市場においては普及をけん引する要素になるであろうことは間違いありません。

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[コンポーネントやフレームワークの多くがWP8やWin8に対応]

繰り返しになりますが、ゲームは収益に対してシビアです。そのためには使えるものは何でも使うということは当たり前のように起きています。弊社もコントロールベンダーの一社として、否が応にも加速する開発ニーズに合わせて、皆さんのお役に立てるようなコントロールをタイムリーに提供していきたいと思っております。今後のビジネスアプリケーションについても、プラットフォームのスピード感に合わせた対応が必要になることが予想され、弊社もやるべきことがたくさんあると感じています。

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[新しいWindowsUIコントロールです!日本でも準備しております!]

その上で、今回も BUILD で詳細に解説されているようなクリエイティブなアプリケーションが増えてくるための環境は整っているわけですから、唯一両方の世界を備えたハイブリッドのOSとして、 Windows 8 はこの時代に重要な役割を担い、次にやってくる世界への架け橋になることでしょう。

Surface、シアトルではかなり売れてました。Windows RT、私は日本でも売れると思いますよ!皆さんはどう思われますか?売れるとしてどうこの波に乗られますか?そんなことを考えていたシアトルの数日でした。

//build/ 2012 Day1

今回は、参加中の //build/ 2012 より、Day1 keynote の内容を中心にお送りいたします。今回の会場はマイクロソフトキャンパスの中なのですが、グラウンドの上に巨大なテントを張ったところが Keynote 会場になっております。あいにくずっと雨が降り続いており、移動の度にどうしても濡れてしまいますがみんなお構いなしに歩いてます。

初日のプレゼンタートップバッターは Steve Ballmer でした。昨年と同じノリで Steven Sinovski が出てくるのではないかと思っていましたが、OEMパートナーも含めた非常に微妙な発表を行うことになるので、ここはやはりSteveBが話すことになった、というところなのかもしれません。

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[Steve Ballmer氏、相変わらずエネルギーで会場を圧倒しておりました。]

冒頭で、ローンチイベント以後どのような事が起こってきたのかということをテンポよく語っていました。その中で出てきた気になる数字が以下のとおりです。

  • 既にWindows8のアップグレードは4,000,000本出ている。
  • 6億7千万本の潜在的アップグレード市場がある。
  • 今後4億もの新しいデバイスが出荷されていく。

後半は本当かよ、と思いながらも、10月26日のGAからわずかの間にすでにアップグレードがこれだけの数出荷されていることには驚くばかりです。現実的にはアップグレードが控えられるということも多いのではないかと思っていたのですが、市場がもっと期待しているということでしょうか。この後SteveB自ら様々なデバイスをデモで紹介していきました。その後、イベント参加者に対する100GBのSkyDrive追加容量と、SurfaceRTの提供がアナウンスされ、もちろん会場全体が大喜びでした。(私もこの文章をSurfaceで作っています)

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[4 million Windows 8 upgrades!]

次に新しいDPE(Developer Platform & Evangelism)のボスであるGuggs がハードウェアを色々と入れ替えながら同じHTML5ベースのソフトウェアが動くことを見せていました。彼は長い間ハードウェアを担当していた人で、WPCなどではお馴染のスターの一人です。今後ソフトウェアとハードウェアの融合がうまくDPEから発信されていくことが期待されますね。このタイミングで私たちにももっとも接点があるDPEの組織が変わったことは興味深いです。

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[なぜかUnderArmor一枚で出てきたGuggs。ものすごいマシンガントークでした。]

続いて Windows Phone については Kevin Gallo からSDKをはじめとして色々と紹介がありました。

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[Kevin Gallo氏。XAML系でもお世話になりました。]

Windows Phone 8 の開発においては Windows 8 との共通開発基盤の上に成り立っていることを強調し、Share Component を利用して同じロジックに対してアプリを複数開発していデモを行っていました。

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[共通開発版に関するアーキテクチャ図]

この後NOKIAの Richard Kerris が呼びこまれ、「LUMIA920が出たところだけど、まずは開発者が手に入れるべきだと思うんです。どう思われますか?」と期待させる発言に会場は再度ヒートアップです。その後彼の口からLUMIA920が参加者全員に配布されることが発表されました!

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総じて、なにか新しいネタが出てきたということよりも、今はローンチした製品に対して詳細に語り、アプリケーションを作って一句タイミングである、というメッセージが全体を貫いていたように思います。そんな中でもWindowsRTに関してはようやくハードウェアが入手できるようになったところで、仕様がこれまではっきりわかっていなかったことも多く、このBLOGでも追いかけていきたいと思います!

#Surface のレポートを早く書いて!というご連絡をたくさんいただいております。遅くなりましてすみません。実は現地にて日本からの参加者向けのラップアップセッションを担当することになっており、そこでのネタもありますのでまだ当BLOGも抑え気味に書いておりますw こちらの時間で金曜日にはアップできるように準備しております。少々お待ちください!

明日からBUILD2012に参加してきます

明日からの一週間、シアトルで開催されるMicrosoft BUILD2012 に参加してきます。昨年はこのカンファレンスで様々なことが発表され、実質的に本格的な開発がようやく開始できるようになりました。今回は10月26日のGA、General Availability=一般販売を経て、どのような発表があるのか楽しみですが、各国で出そろい始めたアプリケーションの紹介や、サードパーティのソリューション対応がどのようになっているのかも気になるところです。

実は参加できることが決まってからも、セッションのリストもわからず、どのような内容であるかも昨年同様現時点でもはっきりわかっておりません。弊社としても展示をできるのかどうかもわかりませんでしたが、なんとかブースを出すことができるようになったようです。会場では新製品の12.2リリースをはじめ、新たな発表も準備して皆様をお待ちしております。

スタートラインに立つところまできた Windows 8 開発ですが、今回私がテーマにしているのがエンタープライズアプリケーション開発における Windows 8 アプリケーションの開発です。Microsoft Design Style(旧Metro)の適用の範囲や、ガイドラインの解釈の問題、そもそも情報の消費に向けたものではなく生産に向けたアプリの場合の考え方など、現時点では不明なところが少なくありません。GAに向けてはアプリの公開においてもガイドラインの解釈に様々な「方言」も見受けられ、このあたりも直接担当している皆さんに聞いてみたいところです。

また、SurfaceやWindows Phone 8端末などのハードウェアについても会場では紹介されることと思いますので、こちらも情報も見逃せません。現在のUSでの開発に関するトレンドなどについても、弊社の本社メンバーやMS本社の皆さんからも聞いて来ようと考えております。

TwitterFacebook などでも情報をまめに更新していきたいと思いますので、もし皆さんも気になることがありましたらメッセージやコメントなどで教えてください。できる限り情報収集をしてきたいと思います!それではそろそろ、観念して荷物をまとめたいと思います。w日本時間で火曜日の夜からカンファレンスが始まりますので、是非当BLOGを継続的にチェックください!よろしくお願いいたします!

Windows 8 アプリデザインセミナーにお越しいただきましてありがとうございました!

8/31、9/6、9/10と3回に渡って(クローズドで行ったものも含めるとそれ以上!)実施させていただきました「Windows 8 アプリデザインセミナー」、会場への参加/オンラインの参加両方とも多くの方にご参加いただきまして本当にありがとうございました。当日の資料及びセッションレコーディング(動画)について、下記リンクから取得いただけます。(弊社サイトからのダウンロードとなります。弊社ログインアカウントをお持ちでない方は、お手数ですがご登録のほどよろしくお願いいたします。)

セッション1 セッション2
(セッション資料)

当日も多くの質問をいただき、まだまだこの内容が浸透している段階ではないと感じました。当日も繰り返し申し上げていた内容になりますが、ルールがあるから面倒くさいのではなく、ルールに沿うことで提供された環境との統一感を得ることができ、テストを含め多くの工数を節約できるメリットもあるのです。また、スタイルは絶対のものではなく、確固たる意志の元「崩す」こともできます。その際、ブレの無いようにしていただくためのコンセプト/ミッションが非常に重要になります。

弊社としても、またこのような機会を設けさせていただき、皆様と情報を共有させていただければと思いますので、今後ともなにとぞよろしくお願いいたします!

アズマ

Windows 8 アプリデザインセミナーを開催します

今月末8月31日から3回にわたって、Windows 8 アプリデザインセミナーを開催させていただきます。

Windowsストアアプリケーションにおいては、Windows 8 が提供するユーザー体験との一貫性を保ち、品質の高いアプリケーションを提供する目的で審査が存在します。この審査、現時点でなかなか手ごわい内容となっており、特に開発の仕方についてはMSDNをはじめとする多くのリソースがあるために最終的には問題になることが少ないのですが、こと「デザイン面での指摘」となると、どこをどう直せばいいんだ、そもそもどういう考え方をしておけばいいのか、といった課題が発生しがちです。

本セミナーでは、Windowsストア 審査にあたって事前に確認しておくべきポイントを解説し、コンセプトワークの基本についてお伝えしていきます。 本セミナーは、セミナー会場にご来場いただくリアルセミナーと、インターネット配信による Webinar の両方をご用意いたしておりますので、お好きな方でご参加ください。

時間についても日中と夜の2パターンを用意しており(どの回も内容は同じです)、遠方の方のためにWebinarによるオンラインでの受講も可能となっております。Webinarでの参加の場合録画を後で見ることも可能になりますので、現地で受講される方についても同時に申し込まれることをお勧めします。

基本的には、Visual Studioを開いてアプリケーションを開発する、といったCode Camp的な内容ではなく、どちらかというとペンを手に取って書いていただくような内容です。課題になっているのは、まさにVisual Studioを起動する前のところなのです。

セッションは2部構成となっていて:

「Windowsストア審査において事前に確認するべきポイントをピックアップし、それぞれを解説します。白黒のつけにくい項目が多いだけに、クリアすべき課題がどういったことかを解説し、それぞれのポイントがどのように関連を持っているかについて説明します。」

まずはTips的なところを見ていただきます。皆さんの実際に検討しているアプリがこれらのポイントにおいて問題がないかどうかを一緒に考えていただき、必要な要件を満たしているかについて確認していきましょう。

「このアプリはどういったことに使うのか? このように根本的な問に答えられることは、審査におけるポイントを無理なくクリアするためにも必要です。アプリ そのもののコンセプトをどのようにはっきりさせておくか、ワークシートを利用して皆さんのアプリ について考えて行きましょう。」

Tips的なところを見ていて、仮にいくつかの項目で足りないなと感じてくると、実は多くの問題は設計の最初の時点でアプリのコンセプトをはっきりさせていないことに起因していると気づくことが少なくありません。このセッションでは、アプリに気持ちの良い「割り切り」を行うためにも必要なコンセプトワークの基本について解説させていただきます。

合計2時間のセミナーとなっております。どちらも私がお話しするのですが、もし具体的なご質問などございましたら会場でお聞きできればと思っております。(もちろんWebinar経由でも大丈夫です)会場は品川から歩いてすぐのフクラシア品川というところで、以前別のセミナーでも使わせていただいたのですが、設備もきれいな気持ち良い会場になっています。

今回の内容は、特にDeveloper Campを既に受講してみて開発についてはある程度分かったけど、実際にストア審査にあたってのポイントをデザイン観点で確認しておきたい、という方にお勧めいたします。

是非参加をご検討くださいませ。皆様と会場やオンラインでお会いできるのを楽しみにしております!

アズマ

MSDN : Designing UX for apps (4)

今回も引き続き、MSDNの "Planning Metro style apps" (日本語版)を取り上げていきたいと思います。本日お話しするメインのトピックは画面遷移についての掘り下げになります。

Metro スタイルアプリにおいては、まず「Content not Chrome」ということで、最終的にユーザーに見せたいコンテンツをいかに早く「ユーザーに提示するか」が求められます。私たちが日ごろ利用しているアプリケーションについては、検索のためのユーザーインターフェイスがまず存在して、そこに条件などを入力して初めて結果を得られるというものも多いかと思いますが、Metro における考え方では早い段階でユーザーへ提案をするアプリのほうがフィット感が高いようです。(検索条件の入力から初めて、ユーザーの流れを固定したくないという考え方もあるかと思いますので、悩ましいところではあるのですが、今のところ入力から始めるというアプリの良い流れが生まれていないのも確かです)

あなたのアプリケーションはホテルのコンシェルジュのようなものだと考えてください。あるタイミングで食事をしたいが、細かいことは決めていないというような状態において、コンシェルジュから「和食か中華かぐらいは決めていただかないと何もご提示できません」と言われてしまったらゲンナリしてしまうでしょう。この時、優秀なコンシェルジュであれば顧客の様々な状況をうまく聞き出すことを行い、最初の提案をして、そこから希望を絞り込んでいくことをするはずです。食事をしたいな、という行動に対して多くのアプリの中からスタートスクリーンにおいてあなたのアプリケーションを選んでもらえるような仕組みも必要になりますね。

もしあなたのアプリケーションが会員制のサービスなどであれば、既に存在する購買の履歴などからリコメンドを行うことも可能でしょうし、会員情報の属性情報から提案を行うことも可能なはずです。初期の段階でそのような情報の取得が難しいような場合であれば、サービスの利用者全体からの統計情報として、人気のコンテンツを提示することなどを考えましょう。

総じて「アプリ側からの初期提案→条件の変更や絞込み→希望のコンテンツの表示へ」という流れがMetroスタイルアプリに向いているといえるでしょう。ワード検索を行うような状況が考えられるのであれば、検索コントラクトを利用することを検討する必要があります。提示しているコンテンツの絞り込みが行われるようなケースでも、基本的には画面上に絞込みのためのUI要素を配置するのではなく、アプリバーやチャームを利用することになります。

kayak01
[KAYAKの例。表示後に金額やレーティングなどでの絞り込みをアプリバーから提供している。]

prinz
[PRINZの例。KAYAKと同様で、ほぼ共通したメニューの表示例。
]

kayak02
[KAYAKでは、初期画面において左の位置に最低限の検索条件入力を表示させている。検索を先に行いたいケースで悩んだ末のパターンだと思われる。ただし、その際もワード検索はこの位置にはなく、チャームから検索となっている。]

次回はコマンドの取り扱いについては解説していきたいと思います。

MSDN : Designing UX for apps (2)

前回同様、MSDNの "Planning Metro style apps"日本語版)を取り上げていきたいと思います。本日お話しするメインのトピックはユーザーシナリオです。前回のおさらいとなりますが、 “Planning Metro style apps” の章立ては以下のとおりです。

  1. ユーザー エクスペリエンスの目標を決定する( Decide what your app is great at )
  2. アプリでユーザーが行う操作 (フロー) を決定する( Decide what user activities to support )
  3. フローに使うアプリの機能と Windows の機能を決定する( Decide what features to include )
  4. アプリで収益を得る方法を決定する( Decide how to monetize your app )
  5. アプリのレイアウトを計画する( Design the UI for your app )
  6. 第一印象を良くする( Make a good first impression )
  7. プロトタイプを作り、ガイドライン、ユーザーの印象、要件に基づいて設計を検証する( Prototype and validate your design )

この中でも2番目の「アプリでユーザーが行う操作(フロー)を決定する」の部分を掘り下げていきましょう。

まずはユーザーを特定することから始めていきます。対象ユーザーの基本的なプロフィールを書き出すところから始めましょう。名前/年齢/性別/家族構成/趣味/職場や学校などの環境など、箇条書きで書き出してみます。典型的なユーザーが実在し、話ができる場合には、直接話しながら整理していくと効果的です。このような作業を「ペルソナの作成」と呼び、本格的に掘り下げる方法も存在していますが、時間がないような場合でも、

  • 簡潔なプロフィール
  • 対象となるサービス/環境/機器に対するリテラシーのレベル
  • アプリに対する代替手段を使った具体的な行動
  • アプリを通じたサービスの利用で得ようとしている価値

といった観点に絞り、できれば少し違うパターンのユーザーを想定し、名前を付ける程度までは行っておくとよいでしょう。これらをはっきりさせたうえで、前回整理したような、そのユーザーが持つ「潜在的なニーズや抱えている問題」に着目します。アプリはその提供するコンテンツや機能を通じて、ユーザーの課題を解決しなければなりません。今後機能を考えるうえで、想定ユーザーがゴールを達成するうえで必要のない機能であれば、なぜ存在するのかを明確にする必要があるでしょう。特にMetroスタイルアプリの場合には、シンプルな機能を実現する単機能のアプリが多く、OSを含むユーザーインターフェイスの構造も多機能な状態を想定していないため、機能の絞り込みは設計時点で重要になってきます。

次に、「潜在的なニーズや抱えている問題」を「既存の代替手段」でどのように実現していて、そこにどのような課題があるのかを浮き彫りにするために、ユーザーシナリオを描いていきます。あまり難しく考えずに、一人称の口語の表現で、感じたことをそのまま書いていくようにしてみてください。嬉しい/がっかり/腹が立つ、などのユーザーの感情の動きも重要な情報です。ポジティブなものもネガティブなものもできるだけ記述してみましょう。たとえば、旅行用のアプリケーションを作っている場合であれば、代替手段は既存のガイドブックなどかもしれません。その場合:

「旅行計画をするために、本屋に行ってガイドブックを買って来よう。今回は初めて行く場所なので、現地の通貨のことやホテル周辺のことなどもWebも併用して調べておく必要がありそうだ。ガイドブックはかなり分厚いけど、今回の大きな目的であるサッカー観戦のことについてはあまり書いていないようだな。(大枠の情報は得られても詳細の情報はガイドブックでは難しいらしい。残念だ。)」

という感じで、どんどん書いてみてください。この作業から「既存代替手段を使ったフローが持つ問題」を探り、それを解決するようなアプリの機能を検討する、という流れになります。ある程度アプリの機能をこの後の作業を通じてイメージできれば、アプリを使った場合のシナリオを描いてみて、実際に改善がありそうかどうかを想定してみるとよいでしょう。

次回は、これらの検討をベースに、いよいよ具体的な機能の想定に入っていきます。Windows8の特性なども考えながら検討を進めていきたいと思いますので、次週もよろしくお願いいたします!


今回ご紹介した進め方は、弊社の展開しているUXワークショップでもお伝えしている内容になります。今回、本来二日間で行っているこのワークショップを一日に凝縮し、IT-Pro様主催で「ユーザーインターフェイス改善セミナー」と題して7月末に講座をやらせていただくことになりました。こちらでも、実際に開発を始める前にやるべきことについて押さえていきますので、参加をご検討いただければと思います。

MSDN : Designing UX for apps (1)

先日のCommunity Open Dayで私のセッションに参加いただいた皆様、本当にありがとうございました!Windows Developer Daysでのセッションの更新版という形で話させていただいたのですが、いかがでしたでしょうか。資料につきましてはこちらからダウンロードいただけるように用意させて頂きました。また、セッション中にも紹介をさせていただいた「Metro Style UI設計用スケッチノート」についても同じ場所においておりますので、是非ご活用ください。

また、ベースになりましたWindows Developer Daysでのセッションについても、Channel9にて公開がされております。こちらは動画で見ることができますので、お時間のある方は是非ご覧ください。

Community Open Dayのセッション当日お話ししていたのですが、現在MSDN上のリソースはMetroスタイルアプリをデザインする上で最もまとまった情報です。今のところ日本語訳が全てに対して用意されているわけではありませんが、まずはしっかりMSDNのりソースを活用することを考えましょう。今後数回にわたって、MSDNの記事を紹介しつつ、各項目におけるポイントについて説明を加えていきたいと思います。


Make great Metro style apps

Metroスタイルアプリの開発にあたって、最初に押さえておくべき情報は、「魅力的な Metro スタイル アプリの作成」でも紹介されている、 “8 traits of Great Metro Style apps” の内容です。これは以前に私のBLOGでもシリーズでお伝えした内容ですが、上記リンクよりまずはビデオを眺めていただき(このビデオに字幕が欲しいですよね!)、雰囲気をつかんでいただければと思います。

ポイントは以下の通りでした。

  • Metroスタイル設計の活用( Leverage Metro design style )
  • 軽快かつ柔軟( Be fast and fluid )
  • 美しいスナップとスケーリング( Snap and scale beautifully )
  • 正しいコントラクトの使用( Use the right contracts )
  • 魅力的なタイルの作成( Invest in a great tile )
  • つながり感とライブ感( Feel connected and alive )
  • クラウドへのローミング( Roam to the cloud )
  • Metroスタイルの設計原則の採用( Embrace Metro design style principles )

#徐々に言葉の使い方などが統一されてきた結果、微妙に表現が/Build//の時とは違っているのがわかります。と言っても、内容は変わっていませんので安心してください。



Designing UX for apps

基本を押さえたところでデザインを開始していきます。(注:デザイン=設計、と訳されることが多いのですが本来はもっと多くの意味を含みます。MSDNや本文では単純に設計と置き換えて書いている記述をしています。)Metro Style UI のデザインに関しては、まず "Designing UX for apps" を読まれることをおすすめします。Community Preview の段階では色々なところに散らばっていた情報が、こちらのページに集約されています。日本語版のページも準備されつつありますが、本記事の執筆時点で翻訳が完了していないようです。内容的には図版も多く読みやすい記事ですので、英語版を今から読んで見ることをお勧めいたします。

全体は大きく、Planning (計画)  / Design Guidance (デザインガイド) / Category Guidance (カテゴリ別ガイド) / Case Studies (ケーススタディ) / Assets (資産) と章立てがされています。今回はそのうち、 Planning (計画) について取り上げていきたいと思います。

Planning (計画)

実際に Visual Studio を立ち上げる前に、やっておくべきことがあります。 "Planning Metro style apps"日本語版)では、初期段階にてどのようなことを整理しておくべきかについて書いています。章立ては以下の通りです。

  1. ユーザー エクスペリエンスの目標を決定する( Decide what your app is great at )
  2. アプリでユーザーが行う操作 (フロー) を決定する( Decide what user activities to support )
  3. フローに使うアプリの機能と Windows の機能を決定する( Decide what features to include )
  4. アプリで収益を得る方法を決定する( Decide how to monetize your app )
  5. アプリのレイアウトを計画する( Design the UI for your app )
  6. 第一印象を良くする( Make a good first impression )
  7. プロトタイプを作り、ガイドライン、ユーザーの印象、要件に基づいて設計を検証する( Prototype and validate your design )

英文でのタイトルに注目していただくと、前半で “decide what…” ということで、「何を」という根本的なところを決めようとしているのがわかります。How=どうやって、という手法の部分は計画の中でも後半戦の項目になります。

本文も合わせて読んでみていただきたいのですが、最初の ユーザー エクスペリエンスの目標を決定する( Decide what your app is great at ) では何のためのアプリか/アプリの 1 番の特徴は何かについて確認をしていきます。本文中でも「この手順に役立つ一般的な方法: ブレーンストーミング、ダイアグラム、マインド マッピング」としていくつかの手法が紹介がされていますが、Community Open Dayでも紹介させていただいた「エレベーターピッチ」という方法をご紹介させてください。

これから開発するアプリケーションの予算を承認してくれるような、「偉い人」とたまたま一階からエレベーターで一緒になったと思ってください。これから短時間で、オフィスのフロアに着くまでにあなたのプロジェクトを説明し、その人がフロアで降りるときに「君の好きにやりたまえ」と言ってもらわなければなりません!そうなると、かなり凝縮した形でプロジェクトを説明する必要が出てきます。そんな状況を想定して何のためのものか/1番の特徴は何かを整理するために使うのがエレベーターピッチです。

Elevator Pitch

上記の画像にあるように、どのような対象ユーザーに向けて、どのようなカテゴリーのどんな名前の製品を作ろうとしていて、利点はどのようなもので、差別化の決定的な特徴はなにか、といった項目について、自分のアプリであれば何を言葉として埋められるかを考えてみましょう。もしこれらの事項を埋められないようであれば、まだまだ初期の検討が足りないといえます。特にMetroスタイルアプリはシングルスクリーンでシンプルな機能を実装するケースが多いため、このような質問に答えられない状況であれば、スタートスクリーンのタイルの中に埋もれる、あるいはアンインストールされてしまうアプリになってしまうかもしれません。現実の事例を見てみましょう。

Elevator Pitch (example)

デミオというクルマを例にとって記入してみました。はっきりとしたコンセプトに基づいた製品作りがヒットし、大変売れているクルマの一つです。このように少し実際の事例があると、皆さんの記述の際にも少しわかりやすくなると思います。皆さんのアプリではいかがでしょうか?

スライド15

デミオの例でも分かるように、テクノロジーサイドの検討が初期検討に全くないかというとそうでもありません。MazdaはSkyActivというエンジンを作ることができるという状態を持ってこの企画をスタートさせているはずなので、アプリでいえば「テクノロジーに根差した考え得る大きな特徴」が全体のトリガーになることはあると思います。もしそうだとしても、機能セットを先に考えるのではなく、どのような対象に向けてどのようなゴールを実現するのかを考えるのが先であり、その後それが徐々にブレイクダウンされ、機能セットへつながる、というきれいなピラミッドが描けないようであれば、末端の機能セットはコンセプトに沿わないものになる、ということになりかねません。そのためにも、初期に整理が必要になります。

今後も引き続きMSDNの記事を軸にしつつ展開していきますが、次回はユーザーシナリオに焦点をあてて、引き続きPlanningについて説明させてください。(今後このシリーズは毎週水曜日にアップを予定しております。)


今回ご紹介した進め方は、弊社の展開しているUXワークショップでもお伝えしている内容になります。実は今回、本来二日間で行っているこのワークショップを一日に凝縮し、IT-Pro様主催で「ユーザーインターフェイス改善セミナー」と題して7月末に講座をやらせていただくことになりました。こちらでも、実際に開発を始める前にやるべきことについて押さえていきますので、参加をご検討いただければと思います。

長文にお付き合いいただきましてありがとうございました!See you next week!!